マー君 メジャー自己最多14Kで8勝目 ヤンキース再奪首

[ 2017年7月30日 05:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース6―1レイズ ( 2017年7月28日    ニューヨーク )

<ヤンキース・レイズ>8回2安打1失点14Kで8勝目をマークしたヤンキース・田中
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 ヤンキースの田中将大投手(28)が28日(日本時間29日)のレイズ戦に先発し、8回2安打1失点、メジャー自己最多の14三振を奪い、8勝目を挙げた。無四球で14奪三振以上は球団史上2人目。6回2死まで完全投球で今季2戦2敗のレ軍にリベンジし、チームを6月28日以来の単独首位に導いた。

 狙って奪った。田中は8回2死でベッカムにフルカウントから3球ファウルで粘られたが「最後は(三振を)取りたいというのはあった。引きたくなかったし、根負けしないように投げた」と9球目のスプリットで空を切らせた。

 1人の走者も出さずに5回を終えると、本拠地がざわついた。6回2死。エチャバリアに初安打となる左前打を許したが、球場はため息の直後、スタンディングオベーションに変わった。「5回終わった時点で“あ、そうだな”と思ったら、次の回打たれちゃった」と田中。初回先頭から5者連続三振、そして8回は3者三振で締め、毎回の自己最多14奪三振。無四球の14K以上は15年のピネダ以来、球団史上2人目の快挙となった。

 今季2戦2敗、計5回2/3で5本塁打13失点の相手に配球は変わった。4月2日の開幕戦では速球系が57%、5月20日でも46%を占めたが、この日は109球のうち速球系は28球の約26%。速球は変化球を生かすアクセントとなった。「投げながらいいなと感じて投球の軸になった」というスライダー。その日の軸の球種を見いだし効果的に使った。

 特に左打者へのスライダーは入念に準備してきた。25日のブルペン投球でも、ラリー・ロスチャイルド投手コーチを左打席に立たせて投球を行った。「スプリットで真下に落ちるのと、左打者に食い込んで落ちていく球と軌道の違いがある。スプリットの軌道に合わせたら空振りする」。過去2戦で2本塁打のディカーソンを無安打に封じるなど、左打者4人をソロ本塁打の1安打に抑えた。

 チームを5連勝、6月28日以来となる単独首位に引き上げた。4戦ぶりの白星にジョー・ジラルディ監督も「うちにとって大切な投手。いい流れに乗ってほしい」とエースの復調に目を細めた。 (ニューヨーク・渡辺 剛太)

 ≪野茂17Kが日本投手最多≫日本投手の最多奪三振はドジャースの野茂英雄が96年4月13日のマーリンズ戦で記録した17。現役ではレンジャーズのダルビッシュが13年8月12日のアストロズ戦でマークした15奪三振が最多だ。田中は今年の5月26日アスレチックス戦で記録した13奪三振を更新。楽天時代のキャリアハイは18で、11年8月27日のソフトバンク戦(Kスタ宮城)で記録している。

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