【西東京】八王子学園八王子 エース米原 腰痛も魂の137球「清宮君のすごさを感じた」

[ 2017年7月28日 17:49 ]

第99回全国野球選手権西東京大会準決勝   八王子学園八王子1―4早実 ( 2017年7月28日    神宮 )

<八王子学園八王子・早実>力投する八王子学園八王子・米原
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 早実・清宮に高校最多タイの107号本塁打を浴び、敗戦投手となった八王子学園八王子のエース米原大地。昨年は早実を破って甲子園の土を踏んだから、リベンジを許す形となった。

 試合終了からインタビューまで20分くらいあったろうか。神宮球場の会議室にやってきた米原の目は涙の後のように赤かった。20分の間で3年間のこと、準決勝で敗れたことなどを多少整理してきたのだろう。報道陣の質問にも実にハキハキと思ったこと、感じたこと、清宮のすごさを素直に話してくれた。

 昨年、140キロを超える内角球で清宮を打ち取ったから、今回はその裏をかいてチェンジを勝負球に選んだ。1打席目、無死一、二塁のピンチの初球に投じたチェンジアップに清宮が反応して二ゴロ。四球の後、3打席目もキャッチャーフライと堂々と勝負して勝った。しかし4打席目、3球目のチェンジアップ、外寄りのサイン通りの球を左中間というより中堅にライナーで運ばれた。「いい当たりをされたと思ったけど、まさかスタンドまで届くとは。清宮君のすごさを感じたし、修正能力の高さを感じました」と悪びれることなく話した。

 実は6月頃から腰痛を発症。今大会中、6本も痛み止めの注射を腰に打った。他の投手が頑張って準決勝まで導いてくれ「先発を言われたときは治療してくれた先生、トレーナー、他の投手、支えてくれたみんなに感謝の気持ちでいっぱいだった。だからきょうは、たとえ歩けなくなったり壊れてもいいと思って全力で投げました」と先発したマウンドを振り返った。

 負けたことは悔しい。でもチームとして自分たちの野球はできたと言う米原。140キロ中盤は出る速球は140キロ前半止まり。8四死球も与えた。清宮の引き立て役になりそうなエースが投げた137球に魂を感じた。グッドルーザー。米原にはその言葉がぴったりだと思う。(落合 紳哉)

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2017年7月28日のニュース