大谷 140メートル場外弾 北海道移転1000勝に花

[ 2017年7月27日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―2ロッテ ( 2017年7月26日    帯広 )

<日・ロ>8回無死、復帰後初アーチを放つ大谷
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 日本ハムの大谷翔平投手(23)が26日、ロッテ戦の8回に右翼席場外へ推定飛距離140メートルの特大3号ソロを放ち、4―2での勝利に貢献した。4月5日の同戦以来、112日ぶりで、左太腿裏肉離れからの復帰後は初アーチ。04年に北海道に本拠地移転後、球団通算1000勝の節目の勝利を呼んだ

 十勝平野のど真ん中を一歩、二歩とゆっくり踏みしめた。大谷の両手に残る感触はそれほど完璧だった。8回、先頭。初球だ。唐川のスライダーを振り抜いた打球は右翼席のはるか上空を通過した。推定飛距離140メートルの場外弾に、どよめきと歓声が入り交じった。

 「初球からいった。(感触は)良かった。勝ち越した後だったので追加点が取れて良かった。なかなか(帯広に)来る機会がないので勝てて良かった」

 4月5日のロッテ戦以来、112日ぶりの3号ソロは、左太腿裏の肉離れから6月27日のソフトバンク戦で打者復帰して以降、38打席目での初アーチだった。この日から初めて全体練習にアップから合流。左足の状態は確実に上がっていた。チームの連敗を4で止め、昨年からの地方球場の連敗も9で止めた。04年の北海道移転後、球団節目の1000勝を呼んだ。やはり、何かを持っている。

 4月9日の出場選手登録抹消からのリハビリ生活。同月末、鎌ケ谷に、岩手・花巻東時代のチームメート2人が訪ねてきてくれた。この春に新社会人となった仲間の近況を、差し入れのチーズケーキを食べながら「仕事どんな感じ?」など「逆取材」。つかの間の時間を楽しんだ。仲間の励ましてくれる気持ちがうれしかった。

 右足首痛で3月開催のWBCへの不参加が決まった時もそうだ。沖縄・名護キャンプに視察に訪れた侍ジャパンの権藤博投手コーチから「“人間万事塞翁(さいおう)が馬”だぞ」とエールを送られた。「すぐ(スマホで言葉の意味を)調べていたよ」と同氏。その場の状況に一喜一憂せずに、リハビリの日々を送った。元ヤンキースの松井秀喜氏も座右の銘とする言葉だ。支えてくれた人に感謝を込めた帯広での2年連続アーチだった。

 栗山監督は「(場外弾は)風だよ。遅すぎ。翔平のこと褒めてどうするんだよ」と言いながら、自然と頬は緩んだ。大谷も「ここからの方が大事」と語る。二刀流としての完全復活まで、喜んではいられない。 (柳原 直之)

 ≪2年連続帯広砲≫大谷(日)が4月5日ロッテ戦以来17試合、49打席ぶりの一発。今季3号で、通算43本目の本塁打になるが、各球団の本拠地球場以外では

 年 月 日  対 球 場勝敗

16・5・17 ソ 北九州 ○ 

   7・20 楽 帯 広 ○ 

17・7・26 ロ 帯 広 ○ 

 と3本目で、うち2本が帯広だ。また、本塁打を打った唐川(ロ)とは試合開始前まで21打席対戦し打率.200(20打数4安打)、0本塁打、0打点。通算15打席以上対戦した14投手の中で唯一打点なしに抑えられていたが、初アーチで初打点をマークした。

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