NTT東日本4発V!つながる“光打線”爆発 36年ぶり頂点

[ 2017年7月26日 05:30 ]

第88回都市対抗野球決勝   NTT東日本10―4日本通運 ( 2017年7月25日    東京ドーム )

優勝を喜び合うNTT東日本ナイン
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 NTT東日本(東京都)が電電東京時代の81年以来、36年ぶり2度目の優勝を飾った。日本通運(さいたま市)との決勝は、同点の7回に下川知弥(かずや)内野手(24)が決勝の中越え3ランを放つなど4本塁打で打ち勝った。橋戸賞(最優秀選手)は通算20打数11安打の福田周平内野手(24)が輝いた。20年ぶりに決勝に進んだ日本通運は64年以来の日本一を逃した。

 東京ドームが36年ぶり2度目の歓喜に包まれた。就任4年目の飯塚智広監督は「普段打たない選手の火事場のばか力だと思う」と感極まった。3万2000人の観客を集め、一塁側は右翼席までチームカラーのオレンジ色に染まった。

 4―4の7回2死一、三塁。下川のこん身の一振りが勝負を決めた。2回戦のパナソニック戦で無安打無得点試合を達成した阿部の抜けたフォークをバックスクリーン左へ叩き込む決勝3ラン。「入ると思わなかったからダッシュした」と殊勲の背番号1は笑った。

 3年目の外野手。駒大4年時(14年)に1学年下の今永(DeNA)らと明治神宮大会を制した。2度目の日本一も、下川は「今回は比べものにならない」と興奮を隠さない。「背負っているもの、期待が違う」。社員を代表し、会社を背負う重圧に「眠れない日もあった」と振り返る。

 背番号1は駒大の先輩で同僚の北道から譲られた。「俺の1番をやるからNTT東日本に来い」。入社してから打撃練習に付き合ってもらい、助言も受ける。うれしい都市対抗初本塁打に「(監督の言った)普段打たない選手は僕です」と笑った下川は「北道さんのおかげ」と感謝した。

 チームスローガンは「アタック&チャレンジ」。ラグビー好きの飯塚監督がDVDで繰り返し見る試合がある。15年のラグビーW杯「日本―南アフリカ」。日本が試合終了直前に同点のペナルティーキックではなく、スクラムを選択。そして逆転トライを奪った。

 飯塚監督は「彼ら(日本代表)は無難じゃないプレーを選ぶことが普通の選択だった」と、その精神をスローガンに込めた。「5試合全てで、それが出た」。4発、10得点で黒獅子旗を手にした。指揮官の顔に充実感が満ちていた。 (君島 圭介)

 ◆NTT東日本(東日本電信電話株式会社)1999年(平11)7月1日設立。資本金3350億円で、日本最大手の電気通信事業者。日本電信電話傘下の子会社。本社は東京都新宿区西新宿3丁目。山村雅之社長。野球部は54年創部。84年まで電電東京、85〜98年はNTT東京、99年からNTT東日本。主なOBに元中日の与田剛、ロッテ・清田、DeNA・井納ら。

 ◆下川 知弥(しもかわ・かずや)1992年(平4)10月22日、福岡県生まれの24歳。八児中では北九州若松アンビシャスに所属。筑陽学園を経て、駒大では1年春からリーグ戦に出場。4年秋は3番に座り、26季ぶりリーグ優勝に貢献した。NTT東日本では1年目から正二塁手。1メートル74、73キロ。右投げ左打ち。

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2017年7月26日のニュース