【秋田】公募で就任 明桜・輿石監督 4カ月で甲子園決めた

[ 2017年7月26日 06:40 ]

第99回全国高校野球選手権秋田大会決勝   明桜5―1金足農 ( 2017年7月25日    秋田県立 )

<明桜・金足農>胴上げされる明桜・輿石監督
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 最後の打者の打球が右翼手のグラブに収まり、明桜(秋田)・輿石重弘監督はガッツポーズでベンチを飛び出した。4月の就任時に「一緒に夢をかなえよう」と語りかけてから4カ月。8年ぶり9度目の聖地に導き「本当にうれしい」と喜びに浸った。

 5回の攻撃中、先発右腕・山口航が走塁で右肩を負傷。降板を強いられたが、救援の五十嵐と佐藤がリードを守った。「僕が一番動揺していたが、2人がしっかり投げてくれた」と目を細めた。

 8年間指導した帝京三(山梨)ではヤクルト・荒木を育てたが、甲子園出場なし。昨夏限りで勇退した後は教頭職を務めていた。ただ、野球への思いは断ち切れなかった。

 昨年11月。明桜は監督が秋の大会後に退き、系列校・ノースアジア大の公式サイトやハローワークで新監督を公募した。大学まで硬式野球経験のある高校教員免許所有者で、年齢不問――。それを知った麻美夫人から「受けてみたら」と背中を押されて応募。今年4月1日付で就任した。

 寮で選手と寝食を共にする。メンタル強化を重視し、準決勝前には「五十嵐、最高のリリーフおめでとう」などとベンチ入り20人の今後の活躍を予想した「予祝(よしゅく)ムービー」を作製して、選手のモチベーションを高めた。「甲子園では県47校の代表として、秋田に大きな旗を持って帰りたい」。指揮官は高らかに宣言した。(原田 真奈子)

 ◆輿石 重弘(こしいし・しげひろ)1963年(昭38)5月21日、山梨県出身の54歳。都留では甲子園出場なし。明大を経て、都留と帝京三の2校で監督などを歴任した。今年4月から明桜に社会科教諭として赴任。家族は妻と1男1女。

 ◆明桜(秋田)男女共学の私立校。ノースアジア大の系列。07年に秋田経法大付から改称。

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2017年7月26日のニュース