【熊本】秀岳館・鍛治舎監督 甲子園切符に病室で「泣いています!」

[ 2017年7月25日 06:10 ]

第99回全国高校野球選手権熊本大会決勝   秀岳館3―1九州学院 ( 2017年7月24日    藤崎台県営 )

<九州学院・秀岳館>9回2死二、三塁、勝ち越しの適時内野安打を放った秀岳館・半情は一塁へヘッドスライディング
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 21日に突発性不整脈と診断され、八代市内の病院に入院している秀岳館(熊本)・鍛治舎巧監督は病室でテレビ観戦し、大興奮した。

 「泣いています!よくやってくれた。厳しい決勝を経てまたひとつ選手が新たな武器をつくってくれた」

 最後の遊ゴロをさばき、号泣しながら歓喜の輪に飛び込んだのは半情(はんじょう)だった。同点の9回2死二、三塁で決勝内野安打。打席に入る際、岡本恵一球審に「ここで打ったらヒーローやぞ」と声をかけられ、緊張が解けた。チェンジアップを叩いた。一塁への高いバウンドに、50メートル5秒8の快足を生かしヘッドスライディング。判定はセーフ。二塁走者も生還した。

 「打った瞬間“やばっ”と思ったけど、ガムシャラに走った。厳しい練習に耐えてきた成果が出た」。3季連続4強入りした甲子園で全12試合に出場。昨夏の北海との準決勝では途中出場。3―4での9回2死一塁、遊ゴロで懸命のヘッドスライディングも及ばず、「また絶対夏に行く」と誓った。

 半情は12月24日生まれ。サンタクロースを運ぶ「トナカイ」のようにと、母・明日香さん(36)が「冬馬(とうま)」と名付けた。準決勝から監督代行を務めた山口幸七部長も「プレッシャーだった」と告白する中で、病床の“鍛治舎サンタ”を甲子園へ連れて行く活躍を見せた。甲子園では鍛治舎監督が指揮を執る予定だ。 (井上 満夫)

 ◆秀岳館 3季連続で4強進出。OBに元ソフトバンクの松中信彦氏。

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