メッセ、バッキー超えの6度目10勝 8回0封12Kの快投

[ 2017年7月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5ー0ヤクルト ( 2017年7月23日    神宮 )

8回2死一塁、バレンティンのスイングをアピールするメッセンジャー
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 阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)が23日、ヤクルト戦で8回5安打12奪三振の快投でリーグトップに並ぶ10勝目をマークした。2年連続、通算6度目の2桁勝利は球団外国人投手では並んでいたバッキーを超える単独トップで、プロ野球でも郭泰源(元西武)に並ぶ歴代最多となった。3回には来日8年目での1号決勝アーチを放ち、自らの偉業に花を添えた。

 試合後、その名を聞くと、メッセンジャーは大きくうなずいた。

 「(15年に)9勝で止まった時があった。2桁を続けてきて彼の活躍、記録を知って、悔しい思いをしたんだ」

 不振に苦しんだ15年に連続2桁勝利が4年でストップした。かつて、同じ助っ人エースとして活躍したのが、5年連続2桁勝利をマークしたバッキーだった。いつしか意識するようになった偉大な先輩。この夜、8回5安打無失点の快投で手にした白星で通算6度目となる10勝を記録し、ついに通算回数でバッキーを抜き、球団史上最多となった。

 男は黙って背中で示す―。これが「投手キャプテン」メッセンジャーの信念だ。昨春キャンプで金本監督から助っ人勢をまとめる「外国人キャプテン」に指名された。今季は来日8年目となり、キャリア、実績も投手陣では群を抜く存在。開幕前には「リーダー」のあり方について熱く語った。

 「年齢も上になってきて、引っ張っていくことは嫌いじゃない。でも、マウンドでは、自分は全力で投げる姿を仲間に見せるのが、一番だと思っているんだ。若い選手も引っ張っていきたいけど、彼らには、冗談を言って、リラックスしてもらえれば、良いパフォーマンスを出せるはずだと思うしね」

 遠征先では、10歳以上も歳の離れた若手投手を食事に誘うことも珍しくない。今春キャンプ中、沖縄の焼き肉店で行われた「投手会」でも、参加した捕手の坂本らと米国での経験を交えて、コミュニケーションを図った。

 今季は全18先発で26歳の梅野とコンビを組む。時には、相棒の失敗を懐で受け止めながら、成長を願う。

 「(梅野には)何が必要かというと、自信なんだ。調子に乗るのではなく、自信を持つことをしてほしい。捕手は本当に大変なんだよ。相手のバッターを研究したり、そういうことも当然、知っている。とにかく自信を持ってほしいんだ」

 敵地で受けたヒーローインタビューでは、声を大にした。

 「梅野がうまくリードしてくれたよ」

 猛虎を支える男は、感謝を込め「自信」という名のエールを送った。(遠藤 礼)

 ◎メッセンジャー(神)が10勝目を挙げ2年連続通算6度目の2桁勝利到達。1952年の外国人枠制定以降の外国人投手では郭泰源に並ぶ歴代最多。阪神の助っ人投手ではバッキーの5度を抜き単独最多となった。

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2017年7月24日のニュース