【栃木】青藍泰斗・石川、自己最速151キロ 7球団スカウト熱視線

[ 2017年7月20日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権栃木大会   青藍泰斗11―1石橋 ( 2017年7月19日 )

6回を3安打1失点の力投をみせた青藍泰斗先発・石川
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 第99回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は19日、33大会で164試合が行われた。栃木大会では今秋ドラフト1位候補の青藍泰斗・石川翔投手(3年)が今大会初先発。1失点完投(6回コールド)で毎回の10三振を奪い、自己最速の151キロを計測する剛腕ぶりを発揮した。20日は20大会76試合が予定され、この日順延された鹿児島大会決勝が行われる。

 思い切り、右腕を振り抜いた。スコアボードを振り返ると、石川は頬を少し緩めた。

 「151キロ」。球場表示に観衆がどよめく。6回1死、ファウルにされた1球は自己最速を2キロ更新した。

 「びっくりした。うれしいけど、出そうと思って出していない」。151キロは2度計測。平均142・5キロの直球を軸に毎回の10三振を奪った。それもコールドとなった6回までで2桁だ。3安打1失点で完投。今月上旬に捻挫した左足首はテーピングで保護されている。万全ではないが、ネット裏に集結した7球団のスカウトに「関東No・1右腕」の実力を存分に見せつけた。

 1メートル79の本格派右腕。DeNAの山崎康と同じくフィリピン人の母を持つハーフだ。50メートル6秒1の快足が示す通り、身体能力も高い。今秋ドラフトは早実・清宮が進学を決断すれば12球団の1位候補がそろわないと言われる不作の年。中日の中田宗男スカウト部長は「こんなにいいとは」と驚き「いの一番にいってもいい。12人に入るのは間違いない」と評価を急上昇させた。

 22日の準決勝は昨秋の栃木県大会準決勝で敗れた作新学院と対戦する。相手は夏7連覇を狙う絶対王者。父・誠さん(48)には栃木を代表する同校OBの江川卓氏を引き合いに「甲子園に行きたかったら、江川くらい(の絶対エース)にならないと行けないぞ」と言われてきた。父の言葉をきっかけに江川氏の動画を見て「江川さんみたいに軽く投げて、切れのある直球が理想」と話す。無欲で出した自己最速は理想に近づきつつある。

 昨秋、作新学院に敗れてから当時の新聞記事をベッド横に張って過ごしてきた。「“打倒・作新”でやってきた。勝つしかない」。151キロの剛球で絶対王者を封じ込む。 (東尾 洋樹)

 ◆石川 翔(いしかわ・しょう)1999年(平11)12月14日、東京都板橋区生まれの17歳。小2から野球を始め、板橋シニアから青藍泰斗に入学。2年春からベンチ入りし、2年夏は栃木大会準々決勝で国学院栃木に敗退。3年春は初戦の2回戦で矢板中央に敗れた。遠投110メートル。1メートル79、81キロ。右投げ左打ち。

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