【茨城】取手二“木内イズム”継承 24年ぶり3回戦進出

[ 2017年7月15日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権茨城大会   取手二3―0緑岡 ( 2017年7月14日 )

完封で3回戦進出に導いた取手二・香取
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 24年ぶり。取手二が壁を越えた。4強や8強という話ではない。2回戦突破。93年を最後に、その壁が高かった。シードで登場はこの日から。後藤賢監督は「3回戦進出といっても1試合目なので」と控えめに言った。

 エース香取が137球の熱投で緑岡打線を完封した。「緊張でどうなるかと思った」という初回。3安打を浴びながらピンチを脱した。9回は1死一、三塁から遊ゴロ併殺で試合終了。野手も無失策でもり立てた。記録について聞かれた香取は「全然知らなかった。本当ですか」と驚き、そして笑った。

 かつて高校野球史に栄光を刻んだ。名将・木内幸男監督が率い、1984年夏に当時2年生だった桑田、清原のKKコンビを擁するPL学園を破って全国制覇を成し遂げた。だが、その後は甲子園出場から遠ざかり、94年から23年も続けて2回戦までで敗退した。

 後藤監督は「私たちの世代のような年配の方々は喜んでおられると思う」と話した。57歳。同校OBで、甲子園初出場の77年夏、翌78年夏に聖地の土を踏んだ。監督に就任して7年目。初期の3、4年は生活指導に努めた。入学希望者が定員割れしていた状況から抜け出し、野球部の空気も変わっていった。

 壁を越えただけで終わるつもりはない。次は89年以来の4回戦進出を目指す。その先に――。香取は「やっぱり優勝を狙いたい」と宣言した。復活ののろしが上がった。 (坂本 寛人)

 ▽取手二の84年夏の甲子園優勝 エース石田文樹(元大洋・横浜、08年死去)や吉田剛(元近鉄)を擁し、箕島、福岡大大濠、鹿児島商工、鎮西を破って決勝に進んだ。PL学園との決勝は4―1の8、9回に3点を失って延長戦へ。10回に中島彰一(現新日鉄住金鹿島監督)の3ランなどで4点を奪い、茨城県勢初の優勝を勝ち取った。

 ▼木内幸男氏(元取手二、常総学院監督)テレビでずっと見てました。まだ勝ち慣れてないなあ、と思いながら。でも、24年ぶりですか。いい足場ができた。今年は水戸一や土浦日大でも教え子(の監督)が頑張っている。教え子同士の決勝が見たいね。

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2017年7月15日のニュース