加藤一二三九段母校・木津「ひふみん」パワー 背番号「一二三」で3年ぶり夏1勝

[ 2017年7月12日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権京都大会2回戦   木津2―0福知山 ( 2017年7月11日    あやべ )

初戦突破を果たした木津の(左から)犬塚、多田、山下
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 将棋の加藤一二三(ひふみ)九段(77)の母校、京都の木津が「ひふみん」パワーで3年ぶりに夏1勝を挙げた。勝利の立役者は偶然にも加藤九段を連想させる背番号「1・2・3」の3人だ。

 初回1死から白神(しらが)が左越えに先制ソロ。なおも2死二塁とし背番1のエース犬塚が中前適時打を放った。加藤九段の得意の攻めの一つ「棒銀」を思わせる速攻で2得点し主導権を握った。

 「ヒットで緊張がほぐれました。守りにも助けられました」。自らの一打でリズムをつかんだ犬塚は打たせて取る投球が冴えた。スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球を自在に操る技巧派右腕は7奪三振ながら1死球のみと抜群の制球力で公式戦初完封をラストサマーで成し遂げた。

 好投をアシストしたのが背番2の多田だ。4回までに5安打を許したが、5回以降の5イニングは無安打に封じる好リード。「試合途中で一人一人の打者の特徴がつかめたので、丁寧に配球しました」。そこには将棋盤を対戦相手側の目線で見る「ひふみんアイ」顔負けの洞察力があった。

 白熱の終盤戦で繰り出した「勝負手」も見事に決まった。2―0の8回1死一、二塁、ここまで2安打されている1番・中島を打席に迎えると、伝令役を務める背番3の山下がベンチから飛び出しマウンドへ。「焦る場面。気持ちを切り替え、落ち着かせることを考えました」。的確な指示を受けたバッテリーは遊ゴロ併殺に仕留め最大の難局を脱した。

 北村元秀校長は「顕著な実績を残された」と1957年度卒の偉大なOBを称える。3回戦の相手は龍谷大平安。“ひふみんブーム”にあやかり「下座」からV候補に挑む。

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2017年7月12日のニュース