大谷 今季実戦初登板、最速157キロも「変化球はダメだった」

[ 2017年7月2日 05:30 ]

イースタン・リーグ   日本ハム5―2西武 ( 2017年7月1日    鎌ケ谷 )

<日・西>初回、力投する大谷
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 左太腿裏の肉離れから復活を目指す日本ハム・大谷翔平投手(22)が1日、イースタン・リーグの西武戦(鎌ケ谷)で今季実戦初登板を果たした。1回を1安打1失点で最速157キロを計測。今後も2軍での登板を重ね、早ければ球宴明けにも1軍登板する見込み。今オフのメジャー挑戦を視野に入れる二刀流が、投手復帰への第一歩を踏み出した。

 降りしきる雨も、ぬかるんだマウンドも関係ない。初球。大谷は本能のままに右腕を振り、先頭・鈴木を空振りさせた。いきなり157キロを叩き出し、球場がどよめく。昨年10月22日の広島との日本シリーズ第1戦以来、実に252日ぶりの実戦登板だったが、威力十分だ。ただ、マウンドの状態が良くなかったため、2球目以降は力をセーブした。

 「思ったより(マウンドが)緩かったので力を入れたときにこれは良くないなと思った」。それでも鈴木を151キロ、続く呉念庭(ウー・ネンティン)を152キロで2者連続空振り三振。山川にはバックスクリーンにソロを被弾し、2四死球と制球が乱れて一、二塁のピンチを招いたが、最後は斉藤を152キロで中飛に仕留めた。5球団計6人のメジャースカウトがバックネット裏から熱視線を送る中、1回1安打1失点。「天候が良くなかったので“持っていないな”と思ったけど、今日は投げられたことが収穫。スピードどうこうではなく、ストライクゾーンで勝負できればいいかなと。一つの段階をクリアできた」と手応えを口にした。

 課題も明確だ。フォークやカーブなどの変化球は5球中、4球がボールゾーンで「変化球はダメだった。(雨で)滑ったのもあるけど、それに対して対応できていなかった。実戦不足。試合の強度になった時にワンテンポ、反応が遅れているのかなと思う」。キャンプ中は右足首痛の影響で投球練習が一切できず、さらに開幕直後に左太腿裏を肉離れしたためブルペン入りは4度だけ。対打者のマウンドは今季初めてだった。今後も2軍での登板でイニングを増やし球宴明けにも1軍登板する見込みで「ここからは感覚の部分。早く(感覚を)取り戻せるようにしたい」と気合を入れ直した。

 2日は1軍に合流し「打者・大谷」に戻る。報告を受けた栗山監督は「試合で確認したのが第一歩だから。丁寧に前に進みたい」と言った。大谷も「まだ(試合で)投げる段階に入ったばかり。自分が納得できるように頑張りたい」と静かに闘志を燃やした。(柳原 直之)

 ▼西武・鈴木 本調子ではないと思うけど速くて予想以上に角度があった。

 ▼西武・呉念庭 昨年よりスライダーの曲がりが大きくて切れがあった。力のあるボールだった。

 ▼西武・山川(初対戦の大谷から一発を放ち)高めは当たらないので、低めを狙っていた。これ以上ない当たりだった。

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