ラミ監督「破壊力ある」新3番筒香サンド打線2本勝ち 菅野撃ち5割

[ 2017年7月1日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA3―1巨人 ( 2017年6月30日    宇都宮市清原 )

<巨・D>7回1死一塁、菅野から勝ち越し2ランを放ったロペス(背番号2)をジャンプして迎える筒香
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 筒香効果だ。DeNAは30日、巨人を3―1で下した。3番に筒香嘉智外野手(25)を入れた新打線は、2番の梶谷が4回に先制の右越え11号ソロ、同点の7回には、筒香の四球の後に4番・ロペスが決勝の左越え17号2ランを放った。チーム2安打がともに本塁打で勝利したのは、球団では68年以来49年ぶり。5月11日以来の勝率5割に復帰した。

 ラミレス監督は満面の笑みでナインを出迎えた。采配的中、しかも球界を代表する菅野からの勝利だけあって冗舌だった。

 「菅野のような素晴らしい投手には2本打つのが精いっぱい。出てほしいところで本塁打を打ってくれた。梶谷とロペスの間に筒香がいるというのは、とても破壊力がある。デンジャラスだよ」

 新打順が、さっそく機能した。1―1の7回。14年7月26日以来に3番起用した筒香が1死走者なしから「つなぐ意識だった」と菅野からこの試合初の四球を選んだ。続く4番のロペスが2ボールから甘く入ったスライダーを左翼席へ17号2ラン。「強いスイングを心掛けた」と喜んだ。筒香から6球連続でボールの後の甘く入った1球を捉えたものだった。「我慢すれば後ろが打ってくれる。四球を取れば後ろに甘い球が来ることがある」とチームの勝利を優先する筒香の姿勢は、菅野に重圧をかけた。

 指揮官は、筒香と話し合った上で3番起用を決断した。この試合まで筒香はリーグ2位の47四球。リーグ打点王のロペス、そして5番には首位打者を争う宮崎が控える。筒香が歩かされても、好調な2人との勝負となり、逆に後ろ2人を意識すれば筒香勝負が生まれる。そして、効果は2番を打つ梶谷にも波及する。4回の梶谷の先制ソロは初球の真ん中へのカットボール。筒香の前で甘い球をファーストストライクから仕留めたものだった。

 宇都宮から始まった新打順。ラミレス監督は試合前に球場を見渡して「筒香3番を始めるにはいい球場だ」と言った。指揮官が巨人からDeNAに移籍した12年。この年から主に筒香3番で、自らが4番を務めた。同年5月8日にはその3、4番で宇都宮で巨人戦を戦った。そんな思い出の場所で、球団では68年9月11日の阪神戦以来、49年ぶり2度目の2本塁打のみの2安打勝利を呼び込んだ。

 5月11日以来、50日ぶりに勝率5割に戻し、2位の阪神に2ゲーム差に迫った。指揮官が打った「筒香3番」の勝負手はチームをさらに加速させる。 (中村 文香)

 ▼DeNA・井納(7回4安打1失点で3勝目)踏ん張れたのでよかった。素直にうれしい。

 ▽12年5月8日の巨人戦 DeNAは筒香が「3番・三塁」、ラミレスが「4番・左翼」でスタメン出場。筒香は5打数無安打2三振と振るわなかったが、ラミレスは5打数2安打1打点。チームは4回まで0―6と劣勢だったが、4―7の最終回に3点を奪って同点に追いつき7―7で引き分けた。

 ≪チーム49年ぶり2本塁打の2安打白星≫DeNAは梶谷、ロペスの本塁打による2安打で巨人に勝利。DeNAが2安打以下で勝ったのは14年5月10日ヤクルト戦でバルディリスの本塁打のみの1安打で2―1と下して以来。2安打とも本塁打では68年9月11日阪神戦で重松のソロ本塁打2本で2―0と完封して以来49年ぶり2度目になる。勝ち越し2ランのロペスは今季肩書付きの安打が18本、本塁打が9本でいずれもセ最多。昨年も肩書付きの安打はリーグ最多タイの32本、本塁打も2位の18本を記録しており、勝負強さは健在だ。

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