涙の雄星「勝ちたかった」急逝した森コーチのため…2発に沈む

[ 2017年7月1日 05:30 ]

パ・リーグ   西武0―3オリックス ( 2017年6月30日    メットライフドーム )

<西・オ>3回無死、マレーロにソロ本塁打を浴び、天を仰ぐ菊池
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 悔しく、つらかった。試合後、メットライフドームの通路での囲み取材。西武・菊池は目を潤ませ、天を数秒間見つめた後に声を絞り出した。「勝ちたかったです」

 森投手コーチが42歳の若さで多臓器不全で28日に急逝。この日は追悼セレモニーが実施され、球団旗を弔旗として試合前に黙とうをささげた。森コーチの背番号「89」のユニホームがベンチに掲げられ選手は喪章を着けプレーした。

 だが、勝利への執念は実らなかった。菊池はマレーロに3回に先制弾を浴び、5回も場外へ2ラン。打線も3点を追う9回に1死満塁と見せ場をつくったが、今季6度目の零敗で3連敗。辻監督は「いろいろな意味で勝ちたかったけど選手たちは粘ってくれた。明日につながる」と話した。

 みんなが森コーチに支えられた。菊池は打たれた時に「自信を持って投げろ。おまえの球は凄い」と励まされた。私生活の相談もしたという。「今日は特にいろんなことを思い出しながら絶対良いところを見せたいと思った。勝ち続けることが一番」と誓った。

 9回に救援登板した大石も思いは同じだ。フォークを多投して無失点。「慎二さんに教わったフォークなので。慎二さんが(コーチに)来なければクビになっていた。感謝の気持ちを忘れずにやりたい」と涙を拭った。森コーチは天国から見守っている。前を向き戦い続けるしかない。(平尾 類)

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