復調きっかけに?ヤクルト山田「去年を思い出す」イメージ通り10号

[ 2017年6月29日 05:47 ]

セ・リーグ   ヤクルト4―2巨人 ( 2017年6月28日    福島県営あづま )

<ヤ・巨>初回2死、山田は左翼席最上段に先制ソロを放つ
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 東北の夜空にアーチが舞った。ヤクルトの山田哲人内野手(24)は28日、福島で開催された巨人戦で初回に2戦連発となる先制10号ソロ。4年連続の2桁本塁打をマークし勝利に貢献した。

 会心の一発。いつもは控えめな山田の口調も滑らかになった。

 「久しぶりに完璧なホームランだった。凄くいい状態にそっくり。去年を思い出す」

 力強いコメントには理由があった。初回2死から106キロのカーブを打った。頭では直球待ち。そこに来た緩いボールに「しっかりと体を止めて打てた」。左翼芝最上段で弾み、場外へ消えた。練習で繰り返したイメージ通りの打撃だった。

 13日の楽天戦前からルーティンを変えた。ティーだけだった早出特打に、フリー打撃も加えた。そこで打ってきたのが杉村打撃コーチの山なりの緩い球。「呼び込んで体全体で打たないと(緩い球は)飛ばない」と杉村コーチ。試合で体現し、山田は「杉さんのボールみたい。練習通りだった」と笑った。

 前日の山形に続く2戦連発で、4年連続2桁となる先制の10号ソロ。決勝弾になったが「意識すると、調子が悪くなる。勘違いしないでやっていきたい」と冷静だった。今季は開幕から不振。下半身で粘れず、上体が突っ込む。かかと体重になるなど原因はいくつもあった。「今年はもう無理」と嘆いたこともあったが、70試合目でまずは大台に乗せた。

 開催された県営あづま球場では、20年東京五輪の野球日本代表の開幕戦が行われる予定。3月のWBCでも日の丸を背負い、中心選手として戦った山田は28歳で迎える。20年も間違いなく主軸の一人。過去には「出られるものなら出たい」と意欲を示したこともある国際大会の舞台で、豪快なアーチを描いた。

 チームの連敗も3で止めた。「継続していってもらいたい」と真中監督。山田は東北での試合では昨季から4戦連発となった。好相性のみちのくで、本来の姿を取り戻した。 (川手 達矢)

 ≪東北に限れば4試合連続≫山田(ヤ)が2試合連続本塁打。東北地方での試合に限れば昨年7月2、3日巨人戦(秋田)から4試合連続となった。東北地方での打撃成績は18試合で打率・315、7本塁打、12打点と好相性。県別で見ると秋田で・385、3本塁打、5打点と最も打っており福島では・318、宮城で・294となっている。

 ▽県営あづま球場と東京五輪 昨年10月、来日した国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、東日本大震災の復興支援の一環として被災地で野球・ソフトボールの1次リーグの日本戦を実施する意向を明言。同11月、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のフラッカリ会長があづま球場と開成山球場(郡山市)を視察。今年3月17日のIOCの理事会で会場をあづま球場とすることが全会一致で決定された。日本代表の開幕戦をそれぞれ行う予定。なお、野球・ソフトボールの主会場は横浜スタジアム。

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