苦闘するヤクルト・山田 打率・215から3割に届かせるには…

[ 2017年6月27日 08:30 ]

復調が待たれるヤクルト・山田
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 届くのか。どうなのか。連日、スポニチ紙面の個人成績を見ていても気になって仕方がない。セ・リーグで規定打席に到達している32選手のうち、最下位の打率・215に沈んでいるヤクルト・山田。昨季まで史上初の2年連続トリプルスリーの偉業を達成した。今年も…と誰もが期待してしまうが、どうしても打率が上がってこない。

 ここまで山田は全68試合に出場。304打席で54安打を放っている。48四球、4死球、1犠飛を打席数から引いた数が打数となるので、251打数。打率は「54÷251」で・215となる。これをシーズン終了後に打率3割にまで引き上げるには、どれだけ安打を連ねればいいのか…。ズバリ。全試合に出場するとして、山田は残り75試合で278打数105安打、打率・378の数字を残せば、最終的に打率・301に到達する!

 まずベースとなるのが打席数だ。今季はここまで1試合平均4・47打席。これをシーズン143試合に当てはめれば、最終的に639打席に立つ計算となる。ここで山田にとって心強い味方となるのが、現在リーグトップ48を数える四球の多さ。その数が増えるほど打数が減り、分母が小さくなることで同じ安打数でも打率が上がりやすくなるのだ。例えば100打席で30安打の場合。10四球なら90打数30安打の打率・333だが、20四球だと80打数30安打の打率・375に跳ね上がる。

 山田の今季1試合平均四球は0・7。これを143試合に換算するとシーズン100四球となる。死球、犠飛はそれぞれ倍として8、2に。計110を予測打席数639から引いた数、「529」が今季の推測の打数だ。この打数で打率3割到達に必要な安打数は「159」(159÷529=・301)。現在の打率・215から届かせるには、前述の打率・378が最低ノルマとなる。

 ポイントは来月。山田が初のトリプルスリーを達成した15年は、7月が月間別で最高の成績だった。83打数36安打の打率・434、10本塁打。昨季も7月は打率・333。本格的な夏の到来とともに、調子を上げられるか。もちろん3年連続トリプルスリー達成には現在の8本塁打、10盗塁からの大幅アップも不可欠だが、やはり夢を見たい。あくまで机上の計算。それでも山田なら、それを現実に変えてくれると期待してしまう。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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2017年6月27日のニュース