“ハマのジャイアン”白根が初アーチ プロ初安打が豪快一発

[ 2017年6月18日 09:05 ]

交流戦   DeNA14―5オリックス ( 2017年6月17日    横浜 )

7回2死一塁、左越え2ランを放つDeNA代打・白根
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 強く振る。それだけだった。7回2死一塁、DeNA・白根は代打で打席に立つと、高めの直球をフルスイング。打球は放物線を描いて左翼席中段に飛び込んだ。記念すべきプロ初安打が、豪快な一発となった。

 「無我夢中でとにかく強く振ることだけを考えた。ようやくプロ野球選手としての一歩を踏み出すことができた」

 プロ6年目の24歳。開星時代は最速149キロを誇るエースで、105キロの巨体から「山陰のジャイアン」と呼ばれた。11年ドラフトでは通算40本塁打の打力を評価され、4位でソフトバンクに野手として入団。だが、右肘手術などの故障もあって1軍昇格できず、14年オフに育成選手となった。15年オフには支配下登録を目指し、契約更新を断り、12球団トライアウトを受験した。「へたしたらプロの世界には戻れないかもしれない」。そんな中でDeNAとの契約を勝ち取った。

 現在は体重90キロとシャープな姿に変わったが、高校時代の豪快なスイングは変わらない。移籍1年目の昨季は1軍デビューも4打数無安打。今季3打席目で結果を残し、「その時は“賭け”だったけど、今はよかったと思う」と振り返った。

 記念球は女手一つで育ててくれた母・みゆきさんに贈る。手を手術し、島根県内の病院で入院中だが「テレビで野球をやっている姿を見せられて、少しは元気になってくれるかな」。孝行息子は笑みを浮かべた。人生初のお立ち台。満員の2万8930人を前に“ハマのジャイアン”は「もっとチームに必要とされる選手になります!」と力強く宣言した。 (中村 文香)

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2017年6月18日のニュース