由規 交流戦2211日ぶり白星 甲子園155キロ右腕対決に貫禄勝ち

[ 2017年6月15日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   ヤクルト3―2楽天 ( 2017年6月14日    神宮 )

<ヤ・楽>お立ち台でグリーン(左)と笑顔を見せる由規
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 仙台出身のヤクルト・由規。右肩手術から完全復活の道を歩む右腕に、神宮球場の三塁側を埋めた楽天ファンからも惜しみない拍手が注がれた。

 「素直にうれしい。(楽天は)パ・リーグ首位のチーム。仙台人らしく、粘っこく投げようと思っていた」

 勝負どころでギアを上げた。2点差とした直後の7回2死。ペゲーロを迎えた。「直球は自分でスピード差をつけていた。一つ、ギアを上げないといけないと思った」。直球勝負。111球目で最速152キロをはじき出した。最後は内角高めのスライダーで空振り三振。7回3安打1失点で2勝目を挙げた。

 アクセントは親友の思いも乗せたフォークだった。試行錯誤を続けていた春先。昨年11月に国指定の難病・黄色靱帯(じんたい)骨化症の手術を受け、リハビリ中の同学年・徳山から握りのヒントを得た。113球中、数球だったが「首を振って投げたり。自分の意思で投げられるようになってきた」。150キロ超の直球に落ちる球は脅威にもなる。

 交流戦勝利は11年5月26日のオリックス戦(神宮)以来、2211日ぶり。両親も観戦に訪れる中、今季初登板の神宮で勝利し「ずっと神宮で投げたいと思っていた。勝手に力も入った」。高校時代、甲子園ではともに155キロをたたき出した楽天・安楽に先輩の貫禄をみせ、チームに交流戦2勝目をもたらせた。

 中12日での登板。右肩のコンディションに配慮し、再び、15日に出場選手登録を抹消される。「期間を空けている分、チームに迷惑をかけている。投げる試合は全部勝ちたい」。完全復調に向けた「特別枠」。由規はその意味を理解し、役目を果たし続ける。 (川手 達矢)

 ▼ヤクルト・グリーン(来日1号含む2打点)皆さんの前で打ててうれしい。最高の場所(ファンが待つ右翼席)に飛んでくれた。

 ▽由規と安楽の高校時代の球速 仙台育英の由規は、07年8月15日の2回戦・智弁学園戦の4回に甲子園球場の球速表示で155キロをマーク。自身が1回戦で記録した154キロを上回り、表示が始まった04年以降での最速を記録した。安楽は済美の2年生エースとして13年8月14日に初戦となった2回戦・三重戦の初回に155キロを出し、由規に並んだ。

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