俊介 打点挙げれば20連勝!人生初甲子園弾「一番はビックリした」

[ 2017年6月14日 05:55 ]

日本生命セ・パ交流戦   阪神7―2西武 ( 2017年6月13日    甲子園 )

<神・西>4回1死、俊介は左中間に1号ソロを放つ
Photo By スポニチ

 「伏兵」とは言わせない。阪神・俊介外野手(29)が13日の西武戦で3年ぶり通算4本目の本塁打を左中間へ打ち込んだ。本拠地の甲子園球場ではプロ8年目、通算430打席目での初アーチだ。プロ初の決勝弾と先制二塁打で計3打点。左太腿裏故障を抱える糸井嘉男外野手(35)の代役として殊勲の活躍だった。

 風ではない。必死でバットを振り続けてきた成果が俊介の打球に最後の一押しを加えた。追いつかれた直後の4回2死。野上の4球目のスライダーを振り抜いた一撃は左中間最深部へと伸び、最後はジャンプした中堅・秋山のグラブをかすめるようにスタンドに飛び込んだ。

 「打った瞬間はどうかと思ったけど、風もあったんで助けてくれたと思います。一番はビックリしたという気持ちですけど、打てて良かったです」

 謙遜しても浜風は微風。1球に集中し、完璧に捉えたことが最高の結果につながった。14年8月12日の巨人戦以来3年ぶりの通算4号弾は、8年目で待望の甲子園初アーチになった。アマ時代の広陵、近大でも経験がなく聖地では人生初本塁打。「まだ実感はありません。正直、ホームラン打者じゃないので、結果的にこうなっただけ。ホームランよりヒットが打ちたい」とはにかんだ。

 2回1死一、二塁でも左中間を深々と破る先制の2点二塁打。オフからの筋力トレーニングと増量の効果を見せた。左太腿裏痛で代打待機の続く糸井の代役右翼に抜てきした金本監督は高校の後輩でもある苦労人の活躍を笑って喜んだ。

 「なかなかチャンスも少なく、それがつかめないまま何年か過ごして来て。今年から体も大きくなったしね。トレーニングの成果か知らないけど。2軍のスタッフに聞いても俊介だけは2軍でも気を緩めずちゃんとやっていたということだった。それもあって(1軍に)上げ直した。入るとは思わなかった。いい打ち方をしていたんだろうね。もう、どうせ打てないな…と思って見ていたから」

 限られた出番の中で今季7打点。俊介が打点を挙げれば、12年8月23日の中日戦以来20連勝中という「神話」がある。陽気な性格の努力家だけに打てばチームは一気に盛り上がる。西武、楽天のパ・リーグ上位を迎え撃つ交流戦最後の6連戦。最初のヒーローは、ひたむきに努力してきた生え抜きの29歳だった。(山添 晴治)

続きを表示

この記事のフォト

2017年6月14日のニュース