巨人・堤GM今月限りで退任 後任最有力は鹿取GM特別補佐

[ 2017年6月13日 05:30 ]

今月中にも退任することが分かった巨人・堤GM
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 巨人・堤辰佳GM(51)が今月中にも退任することが12日、分かった。今季は5月25日〜6月8日にかけて球団ワースト記録を更新する13連敗を喫するなど不振で、編成部門のトップとして責任を取る形となる。後任には鹿取義隆GM特別補佐(60)が就任することが最有力で、今後は人選を進めていく。

 低迷脱却へのフロント人事断行。前半戦の最中のGM交代人事は極めて異例だ。

 59試合を終え24勝35敗。球団ワーストの13連敗を喫し借金11で5位に沈む原因を、親会社の読売新聞グループは編成トップに向けた。昨オフ、30億円の大型補強を敢行。だが、FAで獲得した陽岱鋼(ヨウダイカン)、山口俊が出遅れたことが問題視された。渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆は「見る目がなかったんじゃないか」とも発言した。堤GMも責任を痛感。退任で、責任問題が慶大野球部の後輩でもある高橋監督率いる現場に及ぶのを防ごうとした形だ。

 13連敗中にも、読売上層部からは再三、現場への強い要求があった。7連敗で迎えた2日のオリックス戦での守護神カミネロとクルーズの入れ替えは読売上層部の指示。同戦で代役守護神のマシソンが救援失敗し8連敗したが、4日の同戦で10連敗すると、登録抹消した選手は10日間登録できないルールがあるにもかかわらず「元に戻せ」と指示が飛んだという。老川祥一オーナーが試合前ミーティングで「勝てないから(野球中継の)視聴率が落ち、(新聞の)部数が減るんだ」などと声を荒らげたこともあり、現場では冷めた空気も漂っていた。

 13日には株主総会、取締役会が行われ、久保博球団社長が会長職に、新社長に石井一夫氏が就任する。5月30日の決算取締役会で内定した人事だった。その時点で堤GMについての人事案はなく、引き続き同職にとどまることとなっていたが、大型連敗が急転直下の人事への引き金を引いた。親会社主導のGM交代人事で、結果的に現場に混乱を呼ぶのは必至だ。

 ◆堤 辰佳(つつみ・たつよし)1965年(昭40)8月22日、熊本県生まれの51歳。済々黌を経て、慶大では野球部主将。89年に読売新聞社入社。社会部主任、同次長、巨人球団広報部長、同統括部長兼GM補佐を歴任。読売新聞東京本社運動部長を経て、15年5月に巨人GMに就任した。

 ◆鹿取 義隆(かとり・よしたか)1957年(昭32)3月10日、高知県生まれの60歳。高知商から明大を経て78年ドラフト外で巨人に入団。90年に西武移籍、97年に現役引退。通算成績は755試合91勝46敗131セーブ、防御率2.76。巨人で98〜00年に投手コーチ、02〜03年にヘッドコーチを務めた。

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