青木の“夢”支えた原田トレーナー 打撃に合わせ関節の可動範囲を広げる

[ 2017年6月13日 08:40 ]

青木(左)と肩を組む原田トレーナー
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 アストロズ・青木の2000安打を陰で支えてきた人物がいる。個人トレーナーの原田雅章氏(55)。早大時代に知り合い、メジャー移籍後は都内で営んでいた整体の治療院を閉めて、米国で戦う青木に同行している。体の治療だけでなく、理想の打撃をつくり上げる作業が日課。二人三脚で夢を追いかける原田氏が本紙に思いを寄せた。

 出会いは、早大時代。肩の関節唇損傷で痛みを抱えながらプレーしていたノリが、後輩に聞いて治療院にやってきた。2回ほど治療し、肩の可動域を調べたら「信じられないほど動く」と驚いた。それで信用したのかな。

 プロ入りしたけど、決して体は強くなかった。ヤクルト時代は週1回、4時間以上の治療をしたけど、月曜に遠征に出ると、週末は体がヘロヘロになって打てなくなる。遠征先でケガをすると、治療院の仕事が終わってから最終の新幹線に飛び乗り、ホテルで治療。食事はその後で、朝4時くらいにファミリーレストランで野球や体の話をしていた。

 メジャー移籍が決まると、ノリに「一緒に来てくれないと野球ができない」と強く頼まれた。家族もいたし、治療している患者もいたので、治療院を閉めることは心残りだったけど、「僕には夢がある」と。自分もその手助けができるか挑戦したいと思った。

 一番大事にしているのは、本人がやりたい打撃と、それに合った体を治療しながら一緒につくり上げていくこと。米国は場所によって気候も違う。ノリが体の変化を敏感にキャッチし、「こういう打ち方をしたいから、肩を少し下げてほしい」とか「首の位置をここに収まるようにしてほしい」と言えば、そこに体を合わせる。「もっと飛ばしたい」と言えば、全ての関節の可動範囲を広げる。毎試合後は必ず答え合わせ。2人で答えを見つけていく楽しみはある。

 2000安打を達成したけど、これだというものはまだ見つけていない。でも見つけつつある。今35歳だけど、40歳になっても毎試合出られる体をつくってあげたい。ノリの活躍を見て、体力に恵まれない子供たちでも練習と体のケアをしっかりすれば、夢がかなうことを知ってほしいね。

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2017年6月13日のニュース