阪神ドラ5糸原「食らいついて」プロ初V打 糸井欠場ショック救った

[ 2017年6月11日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   阪神5―1ソフトバンク ( 2017年6月10日    ヤフオクドーム )

<ソ・神>2回1死満塁、右翼線に先制の2点二塁打を放つ糸原
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 阪神・糸原健斗内野手(24)が10日のソフトバンク戦(ヤフオク)でプロ初の決勝打を放った。「8番・遊撃」で3試合ぶりに先発して2回1死満塁から先制の右翼線適時二塁打。糸井嘉男外野手(35)が左太腿裏故障で欠場した窮地をドラフト5位新人が救い、首位広島に再び2差へ近づいた。

 「糸」井の穴を「糸」原が埋めた。開幕から57試合目で初めて“超人”の名前が先発から消えた一戦。しかも前夜は完敗…。募る不安を新人が一蹴した。

 「チャンスだったので何とか食らいついていく気持ちで行きました。いいところで打てたのは良かった」

 2回1死。3四球で得た満塁の絶好機を逃さない。カウント2―2から松本裕の直球をたたいた打球は強烈なライナーで右翼線へ。走者2人を迎え入れた先制二塁打がプロ初の決勝打になった。

 直近2試合は先発を外れ、途中出場もなかった。金本監督は「スイングにあまりに疲れが見えたのでね。慣れないショートで出ていた疲労感というか、毎日試合があるということも経験したことがないだろうからね」と説明。3試合ぶりの出場でたまった力をはき出し、4回の右前打と合わせて一人だけマルチ安打を記録した。交流戦11安打は阪神の歴代新人では昨季の高山に並ぶ最多だ。

 「引っ張る」打撃がプロの扉を開くきっかけとなった。明大時代は主につなぎ役を担い、バットを短く持って逆方向への打撃を徹底していた。転機はJX―ENEOSへの入社後。和嶋利博監督から指摘された。

 「お前はプロを目指すんじゃないのか?流してばかりのバッティングじゃあ、プロは獲ってくれない。いくら体が小さくても、時にはライトに強い打球がないと厳しいぞ」

 恩師の言葉に気づかされ、意を決した。「最初は違和感があった。でも、プロに行くためには考えないと」。打撃を見直し3番を任される打者へ成長。器用さにパンチ力が備わった。「パワーヒッターではないから、まずは塁に出ることを考える。でも、状況によっては、そういう打撃が必要になる」。開幕から随所で見せてきた進塁打などの巧打に加え、試合を決める強打を披露。存在感をまた一段高めた。(巻木 周平)

 ≪4年ぶり一人勝ち≫10日の交流戦でセ・リーグは勝利した阪神以外の5球団が敗戦。今季交流戦全6試合開催で、同一リーグ1球団のみの勝利は6月1、2日の中日、4日のオリックス(1分けを含む)に続く4度目。阪神は05年6月11日、10年6月2日(1分けを含む)、11年6月15日(1分けを含む)、13年5月19日に続く4年ぶり5度目。

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