則本「筒香から取りたかった」狙って決めた!世界タイ8戦連続2桁K

[ 2017年6月9日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   楽天8―2DeNA ( 2017年6月8日    Koboパーク宮城 )

<楽・D>9回2死、佐野から12個目となる空振り三振を奪い則本は雄叫びガッツポーズ
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 狙っていた。8回1死二塁、打席にDeNA主砲・筒香。楽天・則本は1―2と追い込んだ4球目。内角低め149キロの直球にバットは出ない。見逃し三振。これが先発全員から、そして2桁10個目の三振だった。

 「筒香から取りたかった。日本の4番を背負った素晴らしい打者。3安打されていたから一矢報いたかった。僕の方が先輩なんで」

 8試合連続2桁奪三振。相手に天を仰がせると小さく吠えた。

 チームは3連敗中。記録は懸かっていたが勝利が第一だった。試合開始前、マウンドに上がると天に向かって言葉を発した。「何とか勝てるようにという気持ちだった」。序盤から全力だ。2回には自身国内最速タイの157キロを記録。打線の援護をもらっても緩まない。最後の打者・佐野も12個目の三振に仕留め自身7連勝でリーグトップの8勝目だ。

 大リーグで野球殿堂入りしている通算219勝のペドロ・マルティネス、現役屈指の左腕クリス・セールの大リーグ記録に並んだ。メジャーは常に近くにあった。三重中京大時代は松坂(現ソフトバンク)のポスターを下宿先の自室の壁に貼った。「近くのスポーツショップの人にもらって」。レッドソックスのユニホーム姿を見てプロを目指した。楽天入団後は身近に田中がいた。田中が14年にヤンキースに移籍。自主トレで助言を受け、食生活も変えた。試合前日でも肉を食べてミネラルを摂取し、体調を整えた。昨オフはレンジャーズのダルビッシュにも学んだ。

 この日、三振を奪った決め球は半数が直球だった。「(ヤクルトの)石川さんが“僕は速球派”というようなことを言っていた。凄く大事だと思った」。直球を見つめ直して手にした勲章。10試合の先発で三振数は102となった。奪三振率12・24は日本記録を大きく上回る。則本の投球には夢が広がる。 (黒野 有仁)

 ≪無敗は則本だけ≫則本(楽)が8試合連続2桁奪三振を達成しプロ野球記録を更新。大リーグの最多連続試合2桁奪三振も99年にマルティネス、15、17年にセールがマークした8試合となっており、日米球界では3人で4度目の最多タイ記録になった。各投手の記録達成中の成績を見ると7勝はマルティネスの6勝を上回る最多で、無敗は則本だけだ。

 ≪奪三振率12.24≫則本の奪三振率を年度別に出すと、1年目の13年から昨季まで7・09→9・06→9・94→9・97と年々上昇し、今季はここまで12・24。歴代最高は98年石井一(ヤ)の11・05、パ記録は90年野茂(近鉄)の10・99だが記録更新となるか。

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