由伸巨人「これが現実」ワースト更新12連敗 ファンはブーイング

[ 2017年6月8日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   巨人0―3西武 ( 2017年6月7日    メットライフドーム )

<西・巨>厳しい表情の高橋監督
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 巨人が7日の西武戦に0―3で敗れ、球団ワーストの12連敗を喫した。打線は6安打で今季6度目の零敗。就任1年目の長嶋茂雄監督が最下位に終わった1975年につくった不名誉な記録を42年ぶりに塗り替えた。リーグ36度の優勝を誇る伝統球団が80年を超える歴史の中で、最悪の瞬間を迎えてしまった。

 勝てない。1勝が遠い。ついに球団ワースト記録を更新する12連敗。右翼席の巨人ファンからはブーイングも起こり、横断幕には厳しい言葉が並んだ。

 「負けは見飽きた」

 「ファンの願いに結果で応えろ」

 「勝利が全てだ」

 今季6度目の零敗。下半身の張りのため好調・村田を欠いた打線は3度、得点圏に走者を置いたが決定打を欠いた。6回1死三塁で坂本勇が遊ゴロ。7回1死一、三塁では代打・長野が二ゴロ併殺打でチャンスをつぶし「1点でも返していれば流れが変わったかもしれない」と悔やんだ。

 前夜は打線が5点を奪ったが、菅野が踏ん張れなかった。この日は今季初登板の岡本に対し、6回途中まで3安打に封じられた。どんな展開でも投打がかみ合わない。高橋監督は「これが現実。みんな何とかしようと思ってやっているが、こんな展開なので難しい。結果を残していくのがプロ野球選手の仕事」と表情は厳しい。

 大逆転の前例はある。96年に首位・広島を大逆転したシーズンは「メークドラマ」として語り継がれる。現在は当時と同じ首位・広島に11・5ゲーム差だ。08年は最大13ゲーム差をひっくり返し、阪神とのデッドヒートを制したこともある。

 一方で過去に10連敗以上して優勝したチームは一度もない。主将の坂本勇は「一つ勝つのがこんなに難しいんだと初めて感じた」と話し、ベテラン・阿部も「悪循環をみんなが何とかしようとするのは見えるけど、急には変わらない。情けないよ。もちろん勝ちたい」と悔しさをにじませた。交流戦での8連敗は06年以来の屈辱。村田ヘッドコーチは「ファンに申し訳ない。一つ勝たないと流れは来ない」と頭を抱えた。

 残りは88試合。試合後の全体ミーティングで「最善の準備をして、一球一球を大切にしていこう」とナインに声を掛けた高橋監督は、「挽回のチャンスはある。明日から頑張るしかない」と前を向いた。8日はドラフト4位左腕・池田が先発する。打線が援護し、楽に投げさせる展開をつくるしかない。ファンのためにも、結果で示すしかない。(川島 毅洋)

 ▼巨人・吉川光(先発で4回2/3を5安打2失点で今季2敗目)流れを変えるつもりで投げたけど、先制点をとられて苦しくなった。チームに申し訳ない。

 ▼巨人・村田(下半身の張りで欠場)切り替えてと言う段階ではない。大きく変えないと。(試合前に)打つ方は大丈夫。走るのは8割くらいと報告した。

 ≪13戦連続被弾≫巨人が5月25日阪神戦から12連敗。75年9月の11連敗(1分けを挟む)を抜き球団ワースト記録を更新した。これで現12球団で12連敗以上がないのは05年からプロ野球に参入した楽天(11連敗が2度)だけになった。また、交流戦は初戦から8連敗。もし、今日の西武戦に敗れると10年ヤクルトのワースト記録開幕9連敗に並んでしまう。この日はメヒア、中村に本塁打を浴びた。巨人は連敗直前の5月24日阪神戦から13戦連続で被弾。チームの最多連続被本塁打は01年8〜9月の18試合。こちらの記録も早く止めたい。

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