広島バティスタ「狙っていない」3号!4号!デビューから10の4発

[ 2017年6月8日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   広島8―3日本ハム ( 2017年6月7日    札幌ドーム )

<日・広>笑顔でポーズをとるバティスタ
Photo By スポニチ

 広島・バティスタの一撃に、マウンドで斎藤が膝から崩れた。甘いフォークを捉えた打球は札幌ドームの左翼席中段へ。2回2死三塁で3号逆転2ランを放った背番号95は、7―3の5回にもエスコバーを打ち砕いた。ダメ押しの4号の着弾点はほぼ同じだった。

 「昨日は詰まっていたので、石井(打撃)コーチにポイントを前に…と言われた。意識した通り、前で打つことができたよ」

 2発のほか、4回には左翼フェンス直撃の二塁打。史上初となる初打席からの3打席連続本塁打が懸かる中で4打数無安打に終わった前日の反省を、即座に生かした。育成契約から昇格した3日のデビュー戦から4試合10打席で4本塁打。5安打全てが長打で、長打率は驚異の1・800だ。シーズン途中参戦で与える強烈なインパクトは、来日2戦4発と打ちまくった87年ヤクルトの「赤鬼」ホーナーのそれに近い。

 ドミニカ・カープアカデミーから15年秋に来日した当時は当たれば飛ぶが、変化球が振れず、低めのボール球にも手を出していた。2軍戦で失敗するたびに朝山、森笠両打撃コーチが“あの球は振っては駄目”“ベルトゾーンの球を振ろう”と細かく指導。バティスタも柔軟な姿勢で教えを吸収していった。

 合流後は4戦4勝。チームを勢いづける25歳は平然と言う。「ホームランは狙っていない。コンパクトスイング。ライナーを心掛けている」。生魚が苦手なため、札幌ではキューバ料理に舌鼓を打ち、リラックス。今日もまた北の大地で怪物パワーがさく裂する。

 ◆サビエル・バティスタ 1992年1月18日、ドミニカ共和国生まれの25歳。09〜13年にカブス傘下のルーキーリーグなどでプレー。ドミニカ・カープアカデミーを経て15年9月に来日し、16年3月に育成契約。今月2日に支配下選手契約を結び、6年契約で年俸4万7000ドル(約517万円)。1メートル89、115キロ。右投げ右打ち。

 ≪最速4号は87年ホーナー(ヤ)の2試合目≫プロ1、2打席目で本塁打のバティスタ(広)が出場4戦目で3、4号。初打席初本塁打を記録した打者の4試合目までの本塁打数としては、81年ハンプトン(近鉄)に並ぶ最多本数になった。また、外国人の通算4号スピード記録には、70年ジョーンズ(南海)、87年ホーナー(ヤ)の2試合目、13年キラ(広)の3試合目がある。

 ▽87年のヤクルト・ホーナーの衝撃デビュー ブレーブスでメジャー215発の助っ人は開幕後の4月13日に入団が決まり、5月5日の阪神戦(神宮)で初出場。第3打席で仲田から1号2ランを放つと、翌6日の同戦では初回に左翼へソロ。さらに四球を挟んで第3打席には左中間、第4打席はバックスクリーンと1試合3本塁打。2試合で6打数5安打、4本塁打5打点を記録した。シーズン93試合に出場し打率.327、31本塁打、73打点。「黒船」「赤鬼」の愛称で呼ばれるも同年限りで退団。

続きを表示

この記事のフォト

2017年6月8日のニュース