現役北限ハム玉井 プロ初勝利 北緯44度佐呂間町出身24歳ルーキー

[ 2017年6月3日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   日本ハム4―2阪神 ( 2017年6月2日    甲子園 )

<神・日>8回に登板した玉井はプロ初勝利を挙げる
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 憧れの甲子園でプロ初のヒーローインタビュー。プロ初勝利を挙げた日本ハムの新人右腕・玉井は「素直にうれしいのと、いいのかなという気持ちの半々です」と振り返った。

 1―2の8回に4番手で登板。武器のカットボールとシュートで1イニングを1安打無失点に抑えた。直後の9回の逆転劇を呼び込み、「まさかこんなに早く勝てるとは…」と素直な気持ちを吐露した。

 現役選手で最北端に位置する北海道佐呂間町出身。旭川実を経て、東農大北海道オホーツク。生粋の道産子だ。人口約5400人の同町から生まれた初のプロ野球選手となった。北海道網走市にある東農大北海道オホーツクでは、年間数十万円に上る遠征費を捻出するため「アルバイトもたくさんしました」と苦労もした。練習の合間にオホーツク海で「ホタテの箱詰め」をし、時には農家に出向き「大根抜き」を一日中やる時もあった。

 高校から武器のシュートに磨きをかけたのは新日鉄住金かずさマジック時代。投手兼コーチで元ロッテの渡辺から助言された。「それまでは人さし指で押し込む感覚だったけど“中指で押し込んでみろ”と言われて球が強くなった」。社会人屈指の好投手に成長し、ドラフト8位で念願のプロ入りを果たした。

 旭川実時代の3年夏に甲子園出場も登板機会はなかった。チームを3連勝に導いた“最北端右腕”は「初めて(甲子園のマウンドに)立ったけど凄く投げやすかった」と笑った。 (柳原 直之)

 ≪玉井 大翔(たまい・たいしょう)≫

 ☆生まれ 1992年(平4)6月16日、北海道佐呂間町生まれの24歳。

 ☆最北出身選手 役所の所在地では、昨年までロッテ・古谷の出身地の北見市役所が北緯43度で最北だったが、佐呂間町役場は北緯44度。現役選手では最北出身に。

 ☆球歴 小1から野球を始め、旭川実では3年夏に甲子園出場も登板機会なし。東農大北海道オホーツクの1年春にリーグ戦開幕戦でリーグ7人目の無安打無得点を達成した。新日鉄住金かずさマジックでは15年の日本選手権1回戦で白星。日本ハムで井口は大学の後輩で、加藤は社会人時代の同僚。

 ☆座右の銘 なせば成る。

 ☆趣味 映画観賞、最近見たのは「コロニア」

 ☆投打とサイズ 1メートル78、78キロ 右投げ右打ち。

 ▼佐呂間町(さろまちょう) 北海道のオホーツク海側に位置(北緯44度、東経143度)し、南に北見市、北側一帯はサロマ湖に面する。人口は約5400人で、町名はアイヌ語の「サロマペッ(葦=あし=原にある川)」に由来。女満別空港から網走を経由し、バスで約2時間10分。カボチャが特産品として有名で、ホタテやカキの養殖も盛ん。また、年間日照時間は1640時間と国内有数を誇る。

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