緒方監督「予想以上」救援・薮田の先発起用的中 佐賀出身指揮官対決に先勝

[ 2017年5月31日 05:30 ]

交流戦   広島5―0西武 ( 2017年5月30日    メットライフドーム )

<西・広>6回無失点で4勝目を挙げた薮田(右)とタッチを交わす緒方監督
Photo By スポニチ

 譲れない。佐賀県が故郷の監督同士の初顔合わせ。佐賀県がスポンサーに付いた、その名も「佐賀さいこう!同郷監督対決!」で、鳥栖市出身の広島・緒方監督が小城市出身の西武・辻監督を相手に会心の1勝だ。

 6連勝でセ・リーグ30勝一番乗り。球団初となる交流戦初戦の完封勝ちは、指揮官の用兵のたまものだった。腰の違和感で離脱した野村の代役として、先発マウンドに送り出したのは薮田。今季の23試合全てが救援だった24歳にスターターを任せ、6回無失点という結果を導き出した。「予想以上。しっかりと結果を残してくれた」。褒め称える声が弾んだ。

 自己最多の4勝目を挙げた薮田は「野手に助けてもらいながら6回まで行けた」と安どの笑み。初回から自己最速156キロを出すなどペース配分せずに飛ばした。毎回ピンチを招いた序盤を踏ん張ると、6回2死二、三塁でも直球勝負。木村文を右飛に打ち取って救援陣にバトンを渡した。「しっかり勝負できて良かった」と自信を深めた。

 先発登板を告げられてからも、自ら志願してブルペン待機を続けた。「なるべく中継ぎとして、登板間隔が空いていると思うようにした」との発想。必要がなくても試合中に肩をつくるなど、独自の調整を貫いたことが奏功した。

 本拠地のマツダスタジアムで「佐賀さいこう!ナイター」として実施されたのが4月26日の巨人戦。あの試合もスタメン、控えを自在に起用して逆転勝ちにつなげた緒方監督のタクトがさえた。小城市の名物さながらの「コイ料理」をもくろんだ辻監督に、その隙を全く与えなかった試合。指揮官は薮田の次回の先発登板も明言した。

 ≪2年連続は31年ぶり≫広島がセのトップで30勝到達。チームのセ30勝一番乗りは、昨年に続き12度目になるが、2年連続は84〜86年の3年連続以来31年ぶりとなった。なお、過去11シーズンの最終順位を見ると、優勝5度、2位1度、3位3度、4位以下2度となっており、Aクラス入りの確率は82%になる。この日の決勝打は丸。丸の交流戦勝利打点は昨年6月16日の西武戦以来通算10度目となり、広島では栗原、石原に並ぶ最多タイに浮上した。

 ≪交流戦開幕でDeNAと広島は初の完封≫この日はDeNAと広島が完封勝ち。交流戦開幕で完封勝利を挙げるのは05、07、13年オリックス、06年ソフトバンク、11年ヤクルト、12年巨人、楽天、15年阪神、昨年ロッテに次ぎ8、9チーム目で、2チームにとっては初の交流戦開幕完封となった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年5月31日のニュース