菅野をメッタ打ち!楽天 巨人戦最多13点 初回“茂木の10球”が狂わせた

[ 2017年5月31日 06:30 ]

交流戦   楽天13―5巨人 ( 2017年5月30日    Koboパーク宮城 )

<楽・巨>初回2死一塁、菅野から9号先制2ランを放つ楽天・ウィーラー
Photo By スポニチ

 13年目を迎えた日本生命セ・パ交流戦は30日に開幕し、パ・リーグ首位の楽天が巨人に13―5で大勝した。両リーグトップの打率・283を誇る打線が菅野智之投手(27)を攻略。10安打で8得点を奪い、今季最短の5回でKOした。13得点は巨人から挙げた最多得点。3連勝で今季最多の貯金を19に伸ばした。球界のエースと呼べる菅野まで打ち崩した梨田楽天の勢いは本物だ。

 「茂木の10球」が菅野を狂わせた。初回、先頭。3球でカウント1―2と追い込まれると、バットを一握り短く持った。

 「始動を早くして、できるだけボールを長く見られるように」。ファウル4球、ボール2球と粘った10球目。147キロ直球を左前に運び、ウィーラーの先制2ランを呼んだ。10安打8得点で菅野を5回KO。1打席目に集中していた先頭打者の思惑通りになった。

 「何とか簡単にアウトにならないように、甘い球を待っていた。気分よく投げさせないのが一番の攻略だと思っていた。いいアプローチができた」。交流戦最初の打席。菅野とは公式戦初対決で勝負の行方を方向付けた。粘った茂木にマウンドの菅野は渋面をつくった。2番・ペゲーロも見逃し三振だったが、8球粘った。2人で計18球投げさせたことで、相手エースのペースを乱した。

 7人並んだ左打者は10安打中6安打。うち5安打を中堅から逆方向に打ち返した。菅野は「やっぱり振れているし、みんな共通の意識の中で逆方向を徹底しているような印象でした」と振り返ったが、礒部打撃コーチは「バッターによって狙う球の高さだけは言っていた」と説明する。実際は打つ方向の指示はなく、各打者が打つべきボールが来るまで粘って素直に打ち返しただけ。ファウル数は29球を数えた。打球方向よりも、5回で119球を投げさせた粘りが楽天打線の真骨頂だった。その象徴だったのが、茂木の10球だった。

 打線は菅野KO後も手を緩めず、先発全員安打となる16安打で13得点。交流戦の巨人戦では最多得点で圧倒した。いずれも球団初の30勝一番乗り、リーグ首位で突入した交流戦。試合前に「交流戦前までいい戦いができている。優勝を目指して戦っていこう」と訓示した梨田監督も笑顔。セ・リーグNo・1投手を攻略したことに「茂木がよく粘ってくれてヒットを打ってくれた。9回で2点取れればと思っていたのでね」と称えた。

 菅野から2安打を放った茂木は圧勝劇にチームの勢いを感じた。「(2回に)逆転された時は正直厳しいかなと思ったけど、その裏も先頭が出ていけると。そういう感じがある」。さらに勢いづく交流戦白星スタートになった。 (春川 英樹)

 ≪球団初2戦13点超≫楽天が16安打で13点を奪い巨人に大勝。交流戦直前の28日西武戦(○13―2)に続く猛打となったが、楽天が2試合連続で13点以上を挙げたのは球団史上初めてだ。また、交流戦では05年5月26日中日戦(○15―3)、08年6月6日横浜戦(○14―5)に次ぐ大量得点。巨人戦では07年6月26日、10年6月6日の10点を上回る最多得点となった。ウィーラーは昨年5月5日ロッテ戦に次いで自身2本目の満塁弾を含む2ホーマー6打点。巨人戦は通算22打数7安打(打率・318)、4本塁打、10打点と攻略している。なお、楽天の今季満塁弾はアマダー、茂木、ペゲーロに次ぎ4本目。チームの外国人3人が満塁弾は14年巨人(ロペス、アンダーソン、セペダ)以来3度目。

続きを表示

この記事のフォト

2017年5月31日のニュース