則本 野茂に並ぶ日本記録6戦連続2桁奪三振「チームの勝利が全て」

[ 2017年5月26日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天4―1オリックス ( 2017年5月25日    ほっと神戸 )

<オ・楽>8回10奪三振で野茂に並ぶ6試合連続2桁奪三振を記録した則本
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 楽天の則本昂大投手(26)が25日、オリックス戦で10三振を奪い、プロ野球記録の6試合連続2桁奪三振を達成した。1991年の野茂英雄(近鉄)以来26年ぶり2人目の快挙となり、8回1失点でリーグトップの6勝目を挙げた。ほっと神戸での同戦は新人だった13年8月29日にプロ初の2桁奪三振を記録しており、思い出深い球場で偉業を成し遂げた。次回登板が予定される6月1日の巨人との交流戦(Koboパーク宮城)でプロ野球新記録を狙う。

 8回がラストイニングと決めていた。7回まで7奪三振。アウトを全て三振で奪うしかない。則本は駿太をスライダー、西野を150キロ直球、最後は中島からフォークで奪った。全て空振りで、圧巻の3者連続締めだ。

 「7回にピンチがあって球数も100球を超えていた。(2桁三振を)取れなくても8回で降りようと思っていた。まさか取れると思っていなかったので、うれしかった」。126球を投げ抜き、6試合連続2桁奪三振を達成。右手でグラブを叩き、拳を硬く握った。

 初回にT―岡田に先制打を許したが、そこからの修正がエースたるゆえん。フォークを狙われているのを察知し、決め球を変更。10三振のうち6個がスライダーだった。前日の試合が雨天中止で今季初のスライドだったが、新人時代の13年8月29日に初めて2桁三振を奪ったほっと神戸でプロ野球史に名を刻んだ。

 野茂との“出会い”は小学生の頃。テレビのニュース番組を通じて、大リーグのマウンドに上がるスターを見た。友人たちはこぞってトルネード投法のまねをした。「野茂さんを知ったのは、それぐらいの時期ですね」。本場で直球とフォークで三振を取りまくる姿。そして周囲の“リトル野茂”たちによって、その存在が印象づけられた。

 それから約15年。“再会”は今年3月。野茂氏がWBC準決勝・米国戦の始球式を行うためドジャースタジアムを訪れた。試合前、日本のロッカーがざわついた。「野茂さんがいらっしゃってる、という話になって」。初対面はあいさつ程度だったが、日本人大リーガーのパイオニア的存在であり、12年間で123勝を挙げた大投手の体に圧倒された。「野茂さんが向こうでずっと一線でやってたから(他の選手が)続けたというのはあると思う。(米国の)両リーグでノーヒットノーランをやられているし、尊敬しています」。そのレジェンドに肩を並べた。

 次回の6月1日巨人戦では新記録が懸かるが「(三振が)取れるときは取れるし、取れないときは取れない。チームの勝利が全て」と無欲を強調。パ・リーグトップの6勝目を挙げたエースの7勝目には、きっと大きな“おまけ”がついてくる。 (黒野 有仁)

 ▼オリックス・中島(4三振。3日の前回対戦と比較して)前とは違う印象で、スライダーが多かった。

 ▼オリックス・モレル(2三振)日本でトップクラスの投手。攻略するのは難しかった。

 ▼楽天・梨田監督(則本は)9回までいったら交代させるか迷うところだったが、自分で3者三振に取って帰ってきた。よく投げてくれた。

 ≪多くの数値野茂より上≫則本(楽)が91年野茂英雄(近鉄)に並ぶプロ野球記録の6試合連続2桁奪三振を達成した。達成期間中の成績は5勝0敗、防御率2・30、66三振、奪三振率12・64で野茂の2勝4敗、防御率5・14、61三振、奪三振率11・20をいずれも上回っている。また、空振り奪三振の占める割合が86・4%(66三振中57)で、野茂の75・4%(61三振中46)より11ポイントも高い。なお、6試合の10奪三振到達イニングを見ると、野茂は9回が2試合。一方の則本は全て8回までで、6回が3試合あるなど、イニングに余裕を持って記録を継続した。

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