高山、2安打も表情こわばらせる「あそこで打たないと価値ない」

[ 2017年5月24日 08:40 ]

セ・リーグ   阪神0―1巨人 ( 2017年5月23日    甲子園 )

<神・巨>7回無死一、二塁、高山は見逃し三振に倒れる
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 阪神・高山はチームとして攻略できなかった菅野から唯一の複数安打となる2安打を放ったが、敗戦に表情が緩むことはなかった。それどころか、ロッカールームへ引き揚げる途中、“あの場面”を回想して表情をこわばらせた。「最後もそうだけど、あそこで打たないとバッターとしては価値がない。悔しいですね」。菅野に屈した悔しさが心を支配していた。

 悔やむのは1点を追う7回だった。代打キャンベルの中前打、代打荒木の犠打野選でつくった無死一、二塁の大チャンスで回ってきた。ギアチェンジした菅野の球を捉えられず、フルカウントから最後は内角低めの151キロ直球を見逃したが判定はストライク。一瞬、悔しさを露わにしたが、試合後は「(ギアチェンジしてくるのは)分かっていることなので」と、それまでとは球速も気迫も違う巨人のエースに脱帽するしかなかった。9回も2死二塁と一打同点も、カミネロの前に中飛に倒れ最後の打者となった。虎党のため息に包まれ、余計に悔しさが倍増した。

 もちろん、価値ある打席もあった。初回は9球粘った末に四球で出塁。さらに3回は無死一塁から高め直球を中前にはじき返し、5回は2死からカーブを右前に運ぶ技ありの一打。2安打で打率を・278まで上昇させた。4月25日のDeNA戦後に同・247まで下降し、以降は相手先発が左投手の場合は先発落ちする試合が続いたが、ようやく真価を発揮してきた。

 19日からのヤクルト3連戦でも2本塁打を含む5安打4打点。一時期の不調を思えば、本来の姿に戻りつつある。糸井が長いトンネルに入ってしまったが、昨季新人王の復調は打線を活性化させる大きなポイントとなるはず。伝統の一戦で連敗は許されない。24日も、存在感を発揮する働きに期待したい。

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2017年5月24日のニュース