ウィーラー&ペゲ初アベック「鳴り物なしデー」で楽天快音

[ 2017年5月24日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天10―6オリックス ( 2017年5月23日    京セラD )

<オ・楽>5回裏無死二、三塁、ペゲーロ(右)は中越えに3点本塁打を放ちナインとタッチ
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 静まり返った球場に乾いた打球音が響いた。直後に悲鳴のような歓声が湧き上がる。同点の5回無死二、三塁。楽天・ペゲーロが金子のカーブをバックスクリーンまで運んだ。

 「甘い球が来たら打とうと思った。配球を考えすぎることはしなかった」。11試合ぶりの決勝9号3ラン。開幕直後に本塁打を量産し、「強打の2番」として注目されたが、他球団のマークも厳しくなり、一時の勢いは影を潜めた。それでも、この日はオリックスが主催した「球音を感じる日」と銘打った一戦。大リーグのように、両軍ファンが鳴り物での応援を自粛する中で集中力が研ぎ澄まされたのは、皮肉にも楽天の助っ人だった。

 初回にはウィーラーが左翼席に7号ソロ。3回にも2打席連発となる8号ソロを放った。ウィーラー、ペゲーロのアベック弾は初めてで、梨田監督は「あとはアマちゃん(アマダー)が打てば3横綱土俵入りみたいになった。うまくはいかなかったね」と、冗談交じりに残念がるほどだった。

 3発のアーチに引っ張られるように、打線は16安打と大爆発。4月22日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来、今季2度目の先発全員安打も達成した。リーグトップタイの5勝をマークする金子対策として、試合前にチームの立てた方針は「早いカウントから積極的に打つこと」。球が荒れず、ストライクゾーンで勝負してくるため、初球から仕掛けた。ウィーラーの2発目。そして、5回2死満塁で岡島が放った走者一掃の3点三塁打も初球を捉えた。

 14年沢村賞に輝いた金子は、チームにとって天敵だった。同年は6度対戦し全敗を喫し6試合での総得点はわずか8。ところが、この日は1試合で8得点し、マウンドから引きずり降ろした。昨季から指揮を執る梨田監督は「僕はまだその時、生まれていなかったからね」。16安打10得点での大勝に63歳はどこまでも冗舌だった。 (黒野 有仁)

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2017年5月24日のニュース