山田、今季初4安打!猛打賞も初 直球待って変化球撃ち「理想の形」

[ 2017年5月12日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト12―3広島 ( 2017年5月11日    神宮 )

4回2死一、三塁、左前に適時打を放った山田
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 ヤクルトの山田哲人内野手(24)が11日、広島戦で今季初の4安打を放った。2本のタイムリーで大勝に貢献。開幕から打撃不振で苦しんできたが、15年8月22日中日戦(神宮)以来2年ぶりとなる4安打で復調を印象づけた。今季6個目の盗塁もマークし、トリプルスリー男が本領を発揮した。

 本拠地のファンが総立ちで迎えてくれた。今季34試合目で、やっと実現した今季初のお立ち台。山田は藤井とともに上がり、大歓声を浴びた。

 「チームも僕自身も5月は調子を上げて頑張ります」。6回2死一、三塁。福井の141キロ直球を三遊間に引っ張った。2年ぶりの1試合4安打。「迷うことなく自分のフルスイングができた。最近は結果も出ていて調子自体もいい」。今季初めて見せる納得の表情。内容も良い。山田のスタイルは「基本は真っすぐを待ち、変化球に合わせる」。2、4本目はその直球。1本目はフォーク、3本目はカットボールを打った。福井のあらゆる球種を打ち返し「今日は理想の形、理想の待ち方ができた」。2死から。先頭で。そして適時打2本。価値も高かった。

 4月28日の試合前練習後、三木ヘッドコーチと話し合った。クラブハウスの一室で2人きり。机を挟み、向き合った。今季は初めてで、三木ヘッドにこう言われた。「大変なのは分かる。でも周りからは元気がないように見えるという声がある。やっぱりそれは良くない。山田という選手を見に来る野球少年がたくさんいる。そういう(レベルの)選手になっている」

 山田はうなずきながら聞き入った。開幕から打撃の調子が上がらなかったが、ルーティンも崩さなかった。連日の早出練習で杉村打撃コーチと行うティー打撃。体の開きを微調整し続けた。「真っすぐを待っていても打てない。調子がいいときは待っていない球でも打てる」。この日はまさに、その言葉通りだった。

 4月終了時に打率・191まで落ち込んだが「打撃以外でも貢献できることはあると思う」。名前で奪った31四球はリーグトップ。この日3回に決めた6盗塁はリーグ3位タイだ。チームの中心。打てば周囲も続く。先発野手全員の15安打で12得点を積み重ねた。真中監督にも「チームが勢いづく」と言わしめた。

 完全復調の問いには「全然。まだ2割5分(・246)。これからですね」と不敵に笑った。ついに2年連続トリプルスリー男が目を覚ました。 (川手 達矢)

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