母校後輩3000人が観戦 ロッテ平沢 仙台凱旋で今季初マルチ安打

[ 2017年5月10日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ6―4楽天 ( 2017年5月9日    Koboパーク宮城 )

<楽・ロ>3回1死、平沢が仙台育英の生徒たちの前で右翼線二塁打を放つ
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 右翼席のロッテファンだけではない。三塁側に陣取った学生たちからも大きな声援が飛ぶ。19歳の平沢「先輩」が、楽天戦今季5試合目での初勝利を呼んだ。

 「しっかりやることをやれている。それが一番いいと思います」

 口火を切った。3回1死から、辛島のスライダーを右翼線へ運ぶ二塁打。細谷の適時三塁打で先制のホームを踏んだ。4回2死一塁では「何とかしようという気持ちで振れた」と外角直球を左前に運び、荻野の2点二塁打をお膳立てした。スタメン出場14試合目で、左の先発投手相手は2度目だったが、苦にせず今季初のマルチ安打。出場8試合連続安打で、2日に1割台だった打率は・240まで浮上した。

 宮城県出身。仙台育英3年時の一昨年夏に全国準優勝した。珍しい平日のデーゲームだったこの日、三塁側スタンドで母校の生徒約3000人が観戦。楽天が地域貢献などを目的に全校生徒を招いたものだったが、平沢の目には甲子園のアルプス席のように映った。

 懐かしい制服を目にし、シートノック時には笑顔で手を振った。「恥ずかしい姿は見せられないと思って臨んだし、安打が打てたのでよかった」。仙台への移動休日だった8日には母校に足を運んだ。野球部の佐々木順一朗監督のもとへあいさつに訪れると「思い切りやれよ」と激励を受けた。地元のスターは打席に入るたび、楽天ファンからも歓声を受けた。「ありがたいし、それを力に変えるようにやっていきたい」と感謝した。

 観戦した家族も喜ばせる活躍。伊東監督は「左(投手)対左(打者)でよく打ったし、守備も安定感が出てきた。しばらくはこのまま使おうと思います」と話した。今季初めてのカード初戦白星。若い力が躍動し、心地よい6連戦のスタートとなった。(町田 利衣)

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