【キヨシスタイル】高校生のナイター やるなら時間制限設けなきゃ

[ 2017年5月2日 08:35 ]

4月27日、神宮球場で行われた高校野球の春季東京都大会決勝、早実―日大三戦はナイター開催で試合終了が午後10時を回った
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 凄い試合だったねえ。4月27日、神宮球場で行われた高校野球の春季東京都大会決勝。早実、日大三ともに譲らない。7回以降だけで10点以上取り合う打撃戦。延長12回、早実がサヨナラ勝ちを収めた熱戦のスコアは、なんと18―17だった。

 高校野球としては珍しいナイター開催。最初は23日の日曜日、神宮第2球場で昼間に行われる予定だった。ところが清宮幸太郎を擁する早実が出るとなれば収容人員5600人の神宮第2は狭すぎる。少しでも多くのファンに清宮を見せてあげたいということから急きょ木曜日、神宮のナイターに変更されたんだ。

 当日は期待通り2万人のファンが集まり、熱いゲームになった。清宮も2発。4点ビハインドで迎えた9回には同点3ランをかっ飛ばした。で、延長戦に突入することになるんだけど午後6時4分に始まった試合が終わったのは10時6分――。

 東京都高野連は両校の応援団責任者に10時をメドに生徒を帰宅させるよう促したという。試合を続行させておきながら、応援している生徒は帰らせる。これっておかしくない?試合をしている選手も同じ高校の生徒なんだよ。

 準決勝からは延長15回までという大会規定に従って試合を続けるならゲームセットまで見させてあげなきゃ。盛り場をうろついているわけじゃないんだから。校舎では学べない課外授業。最後まで諦めちゃいけないんだということを教えてくれた。教育の一環として最高のゲーム。終了の瞬間を共有してこそ、両校生徒の絆や母校愛が深まり、学園生活の最高の思い出になったんじゃないかな。

 案の定「高校生をこんな時間まで…」という非難の声が上がったけど、せっかくの熱戦にケチつけられたみたいで残念。東京都高野連にはナイターへの変更を決めた時点でこういうケースを想定し、大会規定を見直してほしかった。野球には延長戦があるんだから。回ではなく時間の制限をつけておけば、批判は避けられたと思う。

 それにしても異例の試合で見事期待に応えた清宮、これぞホームランアーチストって雰囲気があるね。いつか「王2世」と呼ばれる日が来ると思うな。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2017年5月2日のニュース