「方程式」担う楽天ドラ5森原がプロ1勝 目標修正「新人王」

[ 2017年5月1日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天2―1日本ハム ( 2017年4月30日    札幌D )

<日・楽>プロ初勝利の森原(右)はウイニングボールを手に梨田監督と握手
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 新人白星で4月締めだ。楽天は30日、日本ハム戦で同点の9回に敵失で勝ち越し。2番手で8回を3者凡退に抑えたドラフト5位・森原康平投手(25=新日鉄住金広畑)が、プロ初勝利を挙げた。勝利の方程式の一角を担う新人右腕は既に9ホールドを挙げ、快進撃を支える1人。チームは今季最多タイの貯金11で4月を終え、首位を走る勢いは若い力でさらに勢いを増しそうだ。

 思ってもいなかったウイニングボール。楽天の森原は梨田監督から手渡されると満面の笑みを浮かべて、こう言った。

 「早いですよね、凄く。実家のおじいちゃんにあげます。素直に凄くうれしい」。敵地だったが、初めてのヒーローインタビューで胸を張った。

 出番は1―1で迎えた8回で先発の岸を救援した。1番・西川からの攻撃を、わずか8球で一ゴロ、遊ゴロ、左飛でピシャリ。「3人で切って、打線にリズムをつけようと思っていきました」。思った通りに直後の9回に味方が勝ち越し。プロ15試合目の登板で、初勝利が転がり込んだ。

 新人ながら開幕1軍入りを果たし「森原―ハーマン―松井裕」の勝利の方程式の一角を担う存在になった。開幕から10試合連続で無失点に抑え、ハーマンに次ぐリーグ2位の9ホールド。失点はわずか1で、防御率0・63は守護神・松井裕の0・53に肉薄している。

 社会人の新日鉄住金広畑からドラフト5位で入団した25歳。1メートル85の大型右腕で最速151キロを誇る直球とフォークを武器にしているが、フォームにも特徴があった。打者がタイミングを合わせにくいタイプだ。2月のキャンプからブルペンで球を受けてきた捕手の伊志嶺は「左足のつき方がかかとからというか、少し踏み込むときに間があるので、タイミングが取りにくい」と解説。8回に左飛に倒れた日本ハム・近藤も「タイミングが合わない」と口にした。

 「球数も少ないし、あれで打線の粘りが出たかな。安定しているし、監督、ベンチがうまく使えば結果を残してくれる」。梨田監督は孝行息子に目を細めたが、森原家では「孝行孫」だ。ウイニングボールを届けるのは広島県福山市の実家に住む祖父の孝志さん。「野球を始めた頃、ずっとおじいちゃんと練習していたので」。小学校低学年から中学1、2年頃まで、キャッチボールの相手やノックを打ってくれたのが孝志さんだった。

 プロ入りが決まったときに掲げた目標は「60試合登板」だった。初勝利の後は上方修正し「新人王を獲りたいです」と堂々と宣言した。2日前に桜が開花した札幌で、森原が笑顔の花を咲かせた。 (春川 英樹)

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2017年5月1日のニュース