ヤクルト雄平が弾 巨人戦34イニング目ヤ〜っと初得点初白星

[ 2017年4月30日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト2―1巨人 ( 2017年4月29日    神宮 )

<ヤ・巨>7回1死一塁、ヤクルトの雄平が右翼席へ先制の決勝2ランを放つ
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 重い扉がようやく開いた。ヤクルトは29日、巨人を2―1で下した。0―0で迎えた7回に雄平外野手(32)が右越えへ値千金の決勝2号2ラン。今季の巨人戦は3試合連続で零敗で、この試合も6回まで毎回走者を出しながら無得点だったが、通算34イニング目でようやく得点が生まれた。この2得点を守り切り、連敗は2で止まった。

 高々と舞う打球に雄平は駆けださなかった。スタンドインを確信したわけじゃない。逆だった。「心の中で“あ〜っ”と。かなりこすって、入らないと思った」。だが白球は熱狂に吸い込まれるように右翼席前列へ。強い逆風がこの一瞬だけやむ幸運の凪(なぎ)も味方した。0―0の均衡を破る7回1死一塁からの先制2号2ラン。高く大きな放物線が、オレンジ色の呪縛を解き放った。

 今季巨人戦、実に4試合34イニング目にしてのチーム初得点だった。この日も6回まで8四死球など毎回走者を置きながら、11残塁でゼロ行進。「投手はずっと頑張っていた。野手が何とかするぞ、と円陣で話していた」。捉えた篠原の144キロはかなり高めの直球。「ボール球でした。ついていた。たまたま早く、当たる瞬間にヘッドが返ってくれた」と控えめも、徹底してきた軸足で回転する打撃が染みついたからこそ、きれいに体が回った。

 14日には米国からの知らせに喜んだ。東北高の2年後輩・ダルビッシュが今季初勝利。「ここまでの選手になるとは正直思わなかった。特に肉体。でも向上心は当時から凄かった」。自身は14年に打率・316、23本塁打でブレークも、ここ2年は満足いく結果を残せず。右肘手術した後輩も同様だった。2年連続で合同自主トレを行うプランもあったが「2年前はダルが来ると言ったのに、予定を忘れてたとドタキャン。去年の12月は僕が誘われたけど若い投手中心だったので遠慮した」と話す。雄平の野手転向で進む道はわずかにたがえたが、同じ求道者タイプの後輩の姿が刺激にならないわけがない。

 「巨人に点が入らなくて意識していたかもしれない。これで変わるんじゃないか。チームを助けてくれた、素晴らしい一発だった」。頭を悩ませ続けていた杉村チーフ打撃コーチも感謝した。嫌なジンクスも、連敗も止めた。何より欲しかった好転へのきっかけを、雄平がもたらした。 (後藤 茂樹)

 ≪本拠で力発揮≫雄平(ヤ)が7回先制の2号2ラン。巨人戦の本塁打は15年9月19日以来2年ぶり6本目。肩書付きは13年4月12日逆転、15年8月5日勝ち越し、15年9月19日逆転に次いで4本目と価値ある一発が多い。また、今季雄平の球場別成績を神宮とその他に分けると

    打―安  <本> 点  打率

神宮 36―13 (2) 4 .361

 他 57―14     5 .246

 神宮では他球場に比べ1割以上も打率が高い。神宮では先発した9試合のうち無安打は1試合だけ。21日広島戦から同球場で6試合連続安打と本拠で力を発揮している。

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