阪神メッセ セ単独トップ4勝 苦しんで「いつも良いわけじゃない」

[ 2017年4月29日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―0中日 ( 2017年4月28日    甲子園 )

<神・中>お立ち台でポーズをとるキャンベル(右)とメッセンジャー
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 阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)が28日の中日戦(甲子園)でリーグ単独トップの4勝目を挙げた。要所を締めた7回無失点で今季初の零封勝利に貢献。3、4月の月間MVPも引き寄せる好投だった。貯金4とし、首位広島に1差へ接近。29日の首位浮上が見えた。

 本調子ではなかった証拠に何度もマウンド上で首をかしげた。大事なのは状態や内容ではない。勝つことがエースの役割なら、メッセンジャーは最高の答えを示した。開幕投手同士の投げ合い。未勝利の大野との“差”を明確に示した。

 「苦しんだけど、チームメートのおかげで勝てた。タメのないフォームで投げてしまっていて修正するのに時間がかかった。7回までしっくりこなかったよ。でも、いつもいつも良いわけじゃない。そういう中で、ゼロを並べられたのはよかったよ」

 踏ん張りどころは2度あった。1死からビシエド、堂上の連打で一、二塁を背負った2回。ゲレーロをフルカウントから151キロ直球で二ゴロ併殺に仕留めた。2死から平田に三塁打された4回はビシエドに四球後、堂上を遊ゴロ。序盤の窮地を耐え、援護を呼んだ。

 7回116球の粘投。35歳の年齢を感じさせないスタミナは2年前から採り入れた「トレーニングマスク」を着けたランニングの成果だ。口を覆うように装着することで空気の流入量を制限できる優れもの。「MLBのすごい投手たちが使っていると聞いたんだ」。酸素濃度の調節によってイージー、ノーマル、ハードの3段階があり、「ハードにすれば真空に近い状態になる。軽くジョギングするだけでも、200メートルをダッシュしたときぐらいきついんだ」と思い出しただけで表情をゆがめた。

 マスク着用で走り込むのは週に一度。登板3日後の日課だ。「本当に苦しくて、途中でやめたいと思うときがくる。でもそこからもう一度がんばる。この気持ちがマウンドで生きるんだ。衰えなんて感じたことはないけど、それぐらい追い込む責任が自分にあると思っているからね」。3年連続4度目の開幕投手を志願したエースの自負心で過酷なトレーニングと向き合ってきた。

 開幕から無傷の4連勝。特に最近3度はいずれも7回以上を投げ抜いた。今季初の零封を呼んだ力投に金本監督も最敬礼だ。「頭が下がる思いですね。調子が良くない中でね。ああやって、7回無失点というのはね。経験なり、技術なりがね」。月間MVPを引き寄せ、「いまの投球を続けてチームメートが打ってくれれば、そういうチャンスもあるかなと思う」と胸を張る。エースの力投で奪首の準備は整った。 (巻木 周平)

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2017年4月29日のニュース