筒香打てば中田も!今季53打席目で連敗脱出1号「最高の結果」

[ 2017年4月28日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム5―4ソフトバンク ( 2017年4月27日    ヤフオクドーム )

<ソ・日>10回2死一、二塁、勝ち越しの1号3ランを放つ中田
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 日本ハムの中田翔内野手(28)が27日、ソフトバンク戦で延長10回に左中間へ今季初アーチとなる決勝3ランを放ち、連敗を10で止めた。右内転筋を痛めて離脱し、復帰4戦目。開幕から53打席目で飛び出した一発でチームを救った。DeNAの筒香嘉智外野手(25)も阪神戦で中越えに今季1号ソロを放った。試合には敗れたが、開幕から92打席目での待望の一発。今年3月のWBCに出場した2人のスラッガーが生みの苦しみから抜け出した。

 フルスイングすると、心に決めた。それが己の生きる道だからだ。延長10回2死一、二塁。中田が森のカーブを捉えると、打球はヤフオクドームの左中間テラス席に届いた。自身13試合、53打席目で放った今季1号は決勝3ラン。長いトンネルを抜け出し、チームの連敗を10で止めてみせた。

 「僕自身の打撃を見てもらった通り。試合を決める打撃ができないと決めつけていた。とにかくフルスイングを心掛けたら最高の結果になった」

 右内転筋を痛め、13日に出場選手登録を抹消。23日の西武戦(メットライフドーム)で出場選手登録を外れてから最短で昇格したが、打撃の調子は戻っていなかった。「ずっと体が開いて手でこねてゴロアウトになっていたけど(25日の)北九州あたりからフライが増えた。もう少しだなと思っていた」。予感は当たった。患部の状態が癒えたことで下半身が使えるようになり、力がボールに加わるようになった。

 打線は6回までバンデンハークの前に無安打に抑えられたが、7回に先頭でチーム初安打となる左中間二塁打を放ち、レアードの先制2ランを呼んだ。「“引いた打撃”はダメ。どんどん攻めて振って、その中でもボール球を振らない気持ちで打席に立った」。試合は延長戦にもつれたものの、4番が決着をつけた。

 2軍調整を命じられた当初はショックを受けた。その後、栗山監督や金子打撃コーチから「完全に治してからチームのために働いてくれ」と説明を受けて納得。「自分の体を気遣ってくれる方がたくさんいる」と感謝の気持ちも芽生えた。2軍施設の千葉・鎌ケ谷では子供のファンに積極的にサインボールをプレゼントし「鎌ケ谷にこれだけの人たちが来てくれていると改めてビックリした。自分が落ちているときに声を掛けてもらえるのはありがたいこと」。順風満帆のスタートは切れなかったが、故障が中田を精神的に一回りも二回りも大きくしてくれた。

 「自分のしょうもないケガで迷惑をかけた。これをいいきっかけにしたい。これから信頼してもらえるように取り返す」。北海道・函館で桜が開花したこの日、日本ハムの4番も“開花宣言”した。(柳原 直之)

 ≪入団1年目に並ぶ最も遅いペース≫中田(日)が今季53打席目に決勝の1号3ラン。ここまで10試合に欠場しているが、開幕53打席目の1号は入団1年目の10年に並ぶ最も遅いペース。それでも中田にシーズン1号が出た試合にチームは無傷の8連勝と不敗が続いている。また、チームの連敗は10でストップ。日本ハムが5連敗以上を止めた試合に中田は通算46打数16安打(打率.348)、6本塁打、15打点。大型連敗脱出試合で気を吐いている。

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