筒香 92打席目やっと1号 首脳陣が明かす不振の原因

[ 2017年4月28日 06:00 ]

セ・リーグ   DeNA2―5阪神 ( 2017年4月27日    甲子園 )

<神・D>5回2死、筒香は藤浪から中越えに1号ソロを放つ
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 甲子園のベンチ裏の通路を急ぐDeNA・筒香に、笑顔はなかった。開幕から22試合、92打席目でようやく今季1号ソロを放ったが、チームは敗戦。4番として勝利に導けなかったことが、何よりも悔しかった。

 「自分のことはどうでもいい。本塁打を打っても負けたら意味がない」。1―4の5回、藤浪が投じた真ん中高めの143キロ直球をフルスイング。強烈な弾丸ライナーをバックスクリーン右へ突き刺した。藤浪には昨季5打数無安打、4三振と完璧に封じられ、前回、本拠地で対戦した13日も2打数無安打(1四球)。それでも「相手は関係ない」と苦にせず、3回にも中前適時打を放って全2打点を叩き出した。試合前に「本塁打はすぐ出てくると思う」と予言していたラミレス監督は「我々の見慣れた筒香の姿だ」とうなずいた。

 ここまで一発が出ない原因を坪井打撃コーチはWBCを戦った技術面での影響を指摘していた。「外国人投手の投げ方や動くボールに合わせていた。それを戻すには時間がかかる」。一方で、ラミレス監督は「表には出さないが、チームを助けられないストレスがたまっている」と精神面での影響を口にした。

 筒香自身は自ら原因を語ることはなかった。「WBCとシーズンは違う。僕はシーズンに向けて準備をしてきたので」。4番としての責任を一人背負い続けてきた。そんな主砲に「自分を変える必要はない。やるべきことをやりなさい」と助言してきた指揮官は「近いうちに本塁打ダービーのトップに出ると思う」と、また予言した。

 今季1号が出て安どしたかと問われた筒香は「全くないです。チームが勝つために毎日やっているので」と言い切った。一喜一憂することなく、4番の仕事を全うし続ける。 (原田 真奈子)

 ≪3番目の不発記録≫筒香(D)が開幕22試合目、92打席目に今季1号。自身開幕からでは14年の39打席目を大幅に超える遅い一発になった。また、シーズン途中を含めても12年に5号から6号まで142打席、同年10号からシーズン終了まで94打席0に次ぐ3番目の不発記録だ。もっとも、今季セの本塁打1位は阿部(巨)の5本で4本差。筒香は昨年7月に月間16本の量産。本塁打トップの山田(ヤ)との最大10本差をわずか20試合で逆転し本塁打王を手にした実績がある。2リーグ制後、本塁打王の開幕から最も遅い1号は57年佐藤孝夫(国鉄)の81打席目。開幕から90打席以上もアーチ0から筒香が逆転キングに輝けば初のケースになる。

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