ピンチは時間かけ 大瀬良 中継ぎ経験生かし724日ぶり先発1勝

[ 2017年4月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1―0巨人 ( 2017年4月27日    マツダ )

<広・巨>7回1死二、三塁、亀井の左飛で三走・重信(右)は本塁を狙うもタッチアウトに。大瀬良(中央)はガッツポーズ
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 長かった。ようやく勝てた。広島・大瀬良が、本拠地マツダスタジアムのお立ち台で童顔をほころばせた。「自分だけ勝てていなかった。ファンの皆さんの声援を受けながら勝つことができて本当に幸せ」。先発での白星は15年5月4日の同じ巨人戦(マツダ)以来、実に724日ぶりだ。

 今季4試合目の先発で7回を4安打無失点。中盤以降は毎回、得点圏に走者を背負いながら粘った。「(これまで)抑えようという気持ちが強すぎ、走者がたまると甘くなった。ピンチでは中継ぎの時の気持ちを思い出し、時間をかけて一球一球投げました」。光ったのは阿部への投球だ。4回1死三塁では146キロの内角低め直球で見逃し三振を奪い、6回1死二塁でも142キロの高め直球で三ゴロ。過去58試合に登板したリリーフでの経験を生かした。

 懸命の投球に味方が援護。5回1死一、三塁、前日にも決勝打を放った会沢が、左犠飛で先制点をもたらした。7回1死二、三塁のピンチでは、亀井の左飛で松山が好返球し重信を補殺。約10分間のリプレー検証の末、改めてアウトが宣告され「感情が出ちゃった」と思わずガッツポーズとともに笑みがこぼれた。

 殻を破る分岐点はオフにあった。昨年12月、現役を引退した黒田博樹氏に動作解析の第一人者である手塚一志氏を紹介された。好調時の投球フォームと昨季の映像を作製してもらい「手塚さんのアドバイスでフォームに迷いがなくなった」。両者を見比べ、理想のイメージを刻み込んだ。

 チームは今季初の完封リレーで昨季一度もなかった4カード連続負け越しを阻止。緒方監督は「大地(大瀬良)に白星が付いて、チームにとってもうれしい1勝」と喜んだ。大瀬良は先発としての白星まで「長かった」と本音を漏らしたが、こうも言った。「今後もいろいろ吸収してやっていきたい」。全ての経験が右腕の糧となる。

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