ええやんか!キャンベル、初先発で2安打 掛布2軍監督に怒鳴られ改心

[ 2017年4月28日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神5―2DeNA ( 2017年4月27日    甲子園 )

<神・D>3回無死、キャンベルは左前に来日初安打を放つ。投手・井納
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 ええやんか!打つやんか!阪神の新外国人、エリック・キャンベル内野手(30)が27日のDeNA戦(甲子園)に「5番・一塁」で、初先発、初安打、初打点をマークした。助っ人の2安打が起爆剤となった阪神打線は4試合ぶりの2桁安打を放って5―2で快勝。敗れた巨人と入れ替わって単独2位に浮上した。

 大歓声に包まれた初のお立ち台。まじめで滅多に表情を崩さない助っ人が、笑った。来日初安打に加え、ダメ押しの一打を放ったキャンベルは、殊勲の打席を興奮気味に振り返った。

 「前の打者がなんとかつないでくれた。とにかく(走者を)還せるように、打てる球だけを待って、そこだけ心がけた」

 3回に井納から左前打。日本球界1安打目で肩の力は抜けていた。「1本目(が出た)ということで、その後リラックスできたよ」。4―2の7回だ。先頭上本が四球を選び、盗塁などで2死三塁の好機。左腕の田中健に追い込まれながら緩いカーブを呼び込んでバットを出した。打球は左前に落ちる適時打。試合を決定づける来日初打点だった。「上本選手や糸井選手をはじめ、1番から4番が良い形でつないでくれる」。頼もしい仲間が作ったチャンスを逃すわけにはいかなかった。

 野球への姿勢を見直す機会があった。23日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(雁ノ巣)。この日と同じ「5番・一塁」で出場も初回の守備で平凡なゴロを体で止めずに後逸してしまった。

 ベンチに帰ると掛布2軍監督から「雰囲気を変えてしまうミスはしてはいけないよ」と通訳を通じて指摘を受けた。だが、事の重大さを把握しておらず、ファーストミットを壁に付け、体はもたれるように話を聞いていた。その態度に、温厚な掛布監督の声は上がった。怒鳴られた。

 「日本の野球は、そんなに甘いものじゃないよ!」

 一つのミスがどれだけの意味をなすのか。それが気の抜けたプレーならなおさら。「日本で活躍するためは、思い直さないと、と思ったよ」。文化の違いと言えばそれまでだが、キャンベルは日本球界に適応したい一心で、真しに受け止めた。

 「自分は日本に来て、チームに貢献したいと思ってやってきた。また切り替えて明日に臨みたい」。そしてヒーローインタビューの締めは覚え立ての日本語で「ガンバリマス」―。

 金本監督からも一気に大きな期待を寄せられた。「最後ダメ押しの良いところで、本当に大きい点を取ってくれた。初スタメンで2安打、上出来だと思います。チャンスで打ってくれることを期待しているんでね」

 まじめで、どん欲で、ひたむきなこの助っ人が、金本阪神の浮上のキーマンになる。 (巻木 周平)

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2017年4月28日のニュース