阪神メッセ まさに大黒柱!セ単独トップ3勝 新外国人には成功への苦言も

[ 2017年4月22日 05:53 ]

セ・リーグ   阪神4―1巨人 ( 2017年4月21日    東京ドーム )

<巨・神>3勝目を挙げたメッセンジャーはスタンドのファンに向かってVサイン
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 1失点(自責0)で8回を投げ終えベンチへ戻った阪神・メッセンジャーのもとに、真っ先に駆け寄ったのは金本監督だった。「良い仕事してくれたと。良いスタミナしてるねと言われたよ」。連敗ストッパーは照れ笑いを浮かべた。

 試練を乗り越え快投した。3点リードの3回、1死一、二塁で坂本勇の三ゴロを鳥谷が取り損ね(記録は失策)満塁。イライラの募る場面だったがエースは冷静だった。「もちろん“チクショー”と思ったけど、それが野球。引きずらず、切り替えることが大事だ」。迎えた阿部に中犠飛を許したが追加点は与えず。「あの状況で最少失点に抑えられたのは大きかった」。試合の分岐点と言える場面で踏ん張った。

 天敵を封じ込めたのも好投の要因だ。昨季、坂本勇には20打数10安打、阿部にも11打数7安打と中軸2人を苦手としたが、この日は計6打数1安打と仕事をさせなかった。

 春季キャンプ中、練習への姿勢について新加入のメンデスに「しっかりトレーニングに取り組まないとダメだ!」と直接、苦言を呈したことがあったという。同じ外国人投手でも気を使うことはない。日本で成功することが簡単でないことを肌で感じてきたからだ。

 「日本に来て8年目になって(成績が残せず)何人も帰国する選手を近くで見てきたからね。日本の野球を決して、なめてはいけないし、そんな簡単にはいかない。自分にとっては、チャンスをもらった場所だから」

 今季自己最多130球の熱投で中継ぎ陣に休息を与えた価値ある力投に、指揮官も「本当によく8回まで投げてくれた。最後のイニングなんか147、8キロ出てましたし、気持ちというか、スピリットを感じた」と最大限の賛辞を送り直した。

 昨年4月7日に勝利してから自身5連敗中だった巨人戦で会心の勝利をつかみリーグ単独トップの3勝目。10三振を奪って31Kとし、こちらもトップに躍り出た。2桁奪三振も通算20度目でセ・リーグの現役投手では内海(巨人)、能見(阪神)を抜き最多となった。「とにかく梅野君の配球が正しかったので、感謝したいね」。女房役を称えた背中には、大黒柱としての風格が漂っていた。(遠藤 礼)

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