阪神・原口 コイ粉砕V撃!14年9月以来甲子園広島戦勝ち越しや〜

[ 2017年4月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―1広島 ( 2017年4月16日    甲子園 )

<神・広>8回2死一、二塁、勝ち越しの適時打を放った原口はベンチに向かってガッツポーズ
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 必死のパッチで打ちました!阪神の原口文仁捕手(25)が16日、広島戦(甲子園)で決勝タイムリーを放った。8回2死一、二塁から三遊間を破り、14年9月以来となる甲子園での同戦勝ち越しを決めた。首位・広島の開幕からの連続カード勝ち越しを4で止め、2・5差の2位。今季最多4万6317人の観衆を沸かせた猛虎が、18日から始まる中日、巨人とのビジター6連戦で一気に浮上する。

 耐えて、粘り勝った。1―1の8回2死一、二塁。原口は通常よりバットを短く持ち、九里の甘く入ったツーシームを弾き返した。

 「必死のパッチで打ちました!気持ちの準備はできていた。何とか食らい付こうという気持ちでバットを短く持ちました」

 福留の打席で高山が二盗を決めると、広島バッテリーは福留を敬遠気味に歩かせ、原口との勝負を選択した。無理もない。前回2日の対戦も含め、九里に対して今季5打数無安打3三振1併殺打と散々だった。このままでは終われない―。直前のフォークを見送りフルカウントに持ち込むと、「狙ってもミスショットになったり、難しい」というツーシームを捉えた。

 「ここが勝負どころだと思って、投手も素晴らしい投球をしていたので。チーム全員、ファンのみなさんの思いが僕の打席にこもっていると思っていきました」

 会心の当たりではなかったが、気持ちで負けなかった。しぶとく三遊間を破る左前タイムリー。13日のDeNA戦(横浜)以来13打席ぶりとなる安打は、接戦にケリをつける決勝打となった。

 どこまでも“捕手らしい”男だ。春季キャンプ終了時から一塁に専念。「今はもう必死ですよ。去年少し一塁をやったからと言って、“もう大丈夫”というほど簡単ではない」。グラウンドで見る景色、ミットも変わったが、捕手時代からのルーティンだけは変わらない。試合後に付けるメモノートだ。

 「習慣なのでね。試合に臨む上でのリズムみたいなものですよ」

 昨季は試合中にベンチでメモを取るシーンが何度もあった。今季はその姿こそ見えないが、自室に戻ると必ずペンを走らせる。自身の打撃だけでなく、味方投手陣への気付きまで記し、次戦への糧とする。「捕手をやったからこそ一塁でかけられる言葉もあるはず。これまでやってきたことが無駄ではないですからね」。原口だからこそできること…。それは打撃面の貢献だけではない。

 「ああいう場面で食らいついてヒットを打ってくれる、それが一番良いところ。そこを信頼して5番バッターとして使っているんで、よく仕事をしてくれました」。頼もしい中軸に金本監督も称賛を惜しまなかった。

 今季初めて踏みしめた甲子園のお立ち台。「最高です!」と叫ぶ表情には充実感が広がった。(久林 幸平)

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