坂本4安打!「右打ちの天才」だ全て中堅から右方向

[ 2017年4月16日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―2中日 ( 2017年4月15日    ナゴヤD )

<中・巨>7回1死二、三塁、右前適時打を放つ坂本
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 さすが主将、昨季の首位打者だ。巨人は15日、中日を6―2で下し、連敗を5で止めた。坂本勇人内野手(28)は7回にダメ押しの右前適時打を放つなど、今季初の猛打賞となる4安打。連敗ストップに貢献し、負ければ今季初の借金生活となる危機を救った。不振の長野久義外野手(32)が今季初めて先発を外れた打線は今季最多の12安打をマークし、てこ入れが成功。坂本勇を中心とした持ち前の攻撃力で巻き返す。

 主将は必死だった。1点を追う6回。先頭の坂本勇は2球で追い込まれたが、4球目の外角低めのフォークに体勢を崩されながら懸命にバットを出し、中前に運んだ。

 「先頭打者だったので、何とか食らいついて塁に出ることを考えていた」。4番・阿部、5番・マギーも連打で続き、一挙3得点で逆転する口火となった。4―2の7回1死二、三塁でも外角低めのスライダーを右前へ。見逃せばボールとなる球をダメ押しの適時打にし、連敗を5で止めた。

 「一つ勝ててホッとしている」。今季初の猛打賞で4安打は16度目。阿部、マギーとクリーンアップがそろって適時打を記録したのは開幕戦以来だ。打撃不振で今季初めて長野がスタメンを外れた試合で、今季最多の12安打をマークした打線をけん引し、高橋監督も「常に中心で引っ張ってくれている」と称えた。

 坂本勇といえば、球界屈指の「内角打ちの天才」として知られるが、今は「右打ちの天才」でもある。この日の4安打はいずれも外角球を打ち返したもの。打球方向も中前、右中間、中前、右前。全て中堅〜右翼方向だ。昨季は初の首位打者に輝き、さらなる打力向上を目指して、オフ期間にウエートトレーニングで下半身を徹底的に鍛え上げた。その成果で尻回りのサイズは100センチをオーバー。よりフォームに安定感と粘りが増し、逆方向に打ち返せる下半身の強さを手に入れた。

 「WBC効果」もある。今季の19安打のうち、左翼方向はわずか4本で「このチームでは大きいのが求められるかもしれないけど、継続していきたい」。WBCでは本塁打はなかったが、チーム2位となる打率・417という好成績を残した。開幕後も「つなぎの3番」の意識で、チームトップの・365である。

 5連敗中の逆転負けは4度。前カードで対戦した昨季王者の広島には全て逆転負けを喫した。ダメージは大きく、坂本勇は「勝つことの大変さをみんな感じていた」と振り返るが、再確認もできた。「一試合一試合を大事に戦っていかなければいけない。僕らはチャレンジャーなので」。この日の逆転勝ちを首位・広島追走へのきっかけにする。(重光 晋太郎)

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2017年4月16日のニュース