清宮40打席ぶり一発から連発“人生最大”スランプ脱出

[ 2017年4月16日 05:30 ]

春季東京大会準々決勝   早実14―2駒大高 ( 2017年4月15日    神宮第2 )

<早実・駒大高>4回1死一、二塁、清宮は右越え本塁打を放つ
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 今秋ドラフト1位候補の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が15日、春季東京大会準々決勝の駒大高戦で高校通算80、81号となる2打席連続本塁打を放った。今年の練習試合が解禁となった3月8日の早大戦で放って以来、実に8試合、40打席ぶりの一発で、長いスランプをようやく抜け出した。さらに80号はあくまで通過点とし、本塁打を量産することを宣言した。

 たまっていたうっぷんを一気に吐き出した。3打席目についに飛び出した待望の80号。清宮は本塁付近で仲間に迎えられると力強く、笑顔でハイタッチを繰り返した。

 「これだけ本塁打が出なかったのは初めて。すっきりした」。2回戦で敗退したセンバツ、練習試合も含めて38日ぶりの一発。最長では54日間があるが、1年時のことで比較にならない喜びが「初めて」と言わせた。

 駒大高は1年春の春季東京大会3回戦でデビューした時に対戦した「懐かしい」という相手。そして高校1号を放った思い出の神宮第2球場で節目の一発が出た。2打席連続四球で迎えた4回1死一、二塁。内角直球に「かなり詰まった」が、打球は伸びて右中間のネット中段に突き刺さった。5回1死一塁では外角直球に泳がされたが、打球は「風のおかげで」中堅左に達した。「全然完璧じゃない」と振り返った2発。それでも「会心の当たりでなくても入るというのを意識してきた。今日の2本は冬場にしっかりやってきた成果が出た」と胸を張った。

 NBAセルティクスでアシスタントトレーナーの経験のある早実の小出敦也アスレチックトレーナーと肉体改造に着手。導入しているのは大リーグなどトップレベルのプロ選手という「世界最先端」の呼吸トレで腹圧を高める練習を行った。体幹部は内臓が多く、他の部位に比べて筋肉量が少ないため、体幹強化には「腹圧を上げるしかない」と同トレーナー。横隔膜を意識して10秒間ゆっくり息を吐き出して腹圧を高めた状態が、運動する上で最適な状態だという。呼吸トレが自身初の100キロ台に突入した体をがっちり固定。体勢が崩されても球を押し返せる軸をつくり上げた。

 1年時に目安として口にした80号到達にも「目標というわけではなく、どれくらい打つと言われたので、それくらい打てればと言っていただけ。本塁打は打てるだけ打てれば」と量産を宣言した。通算100号は「気にしない」と言ったが、大台到達まで一気に突っ走りそうな特大の2発だった。(東尾 洋樹)

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2017年4月16日のニュース