大谷、中田いなくても…ハム “フレッシュ”若手トリオで今季初連勝

[ 2017年4月14日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―2ソフトバンク ( 2017年4月13日    札幌ドーム )

<日・ソ>試合後、笑顔で記念撮影の(左から)森本、清水、石井一
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 無数のフラッシュに包まれ、大声援には照れ笑いを浮かべた。日本ハムの石井一、森本、清水の3人が初のお立ち台に上がった。早大出のドラフト2位・石井一が森本の活躍に「同級生としてうれしい」と言えば、大谷と12年ドラフト同期で高岡第一(富山)から2位入団した森本は「僕は高卒のプライドがあるんで負けないように頑張ります」。九州国際大付(福岡)から入団3年目の20歳・清水は「凄く人が多く、応援してもらっているんだなと感じました」と白い歯をこぼした。

 1―0の2回。5年目でプロ初出場初スタメンの森本が中前に運ぶプロ初安打で2死一、三塁と好機を広げ、続く清水が左前に適時打を放った。プロ初打点に「全然打てなかったので一本打ちたいと積極的にいった」。4回には石井一が左前適時打で続いた。大谷、そして中田が戦線離脱した緊急事態でも若手が結果を残す。昨季王者の「十八番」が飛び出し、今季初の2連勝、初の3連戦勝ち越しを決めた。

 石井一ら大卒組を含め、「大谷世代」の同学年6人は食事会を開催するほど仲が良い。森本は大谷を「入った時は凄いライバル視した」というが、今は「あのレベルは無理」と割り切る。球団が若手選手育成カリキュラムに組み込む座学で講義に来た、お笑い芸人・ゴルゴ松本の話に感銘を受け、野球に生かせないかを真剣に考えた。この素直さが成長を促した。

 昨季は右手首や顔面の骨折など故障禍だったが、今季はキャンプで初の1軍入り。開幕後も2軍でチームトップ3本塁打を放ってアピールを続けた。1軍昇格は中田との交代。練習前、チームを離れる中田に「頑張れよ、行ってこい!」と励まされ、主砲不在の一塁を守って期待に応えた。

 「翔平(大谷)と同期で入った以上は一緒にプレーしたい」と森本。栗山監督は言う。「人が育つのであれば、チーム状況が苦しくても前に進む感じがある」。苦しい時こそ「知恵」が生まれる。栗山野球が勢いに乗ってきた。 (柳原 直之)

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