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豪快バックスクリーン弾ラッシュ

5日の阪神戦の3回無死、藤浪から中越えに今季1号ソロを放ったヤクルト・バレンティン
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 【宮入徹の記録の風景】開幕戦からいきなり特大アーチが飛び出した。3月31日に京セラドームで行われたオリックス―楽天戦でのことだ。4―4で迎えた延長11回表。1死二塁の場面でペゲーロはオリックスの新人・沢田から中堅の5階席に飛び込む決勝の1号2ラン。スポニチ担当記者による推定飛距離は140メートルに達した。勢いづいたペゲーロは4月2日の同じカードでWBCでも活躍した平野から9回に1号とほぼ同じ位置に逆転2ランを放ち、破格のパワーを見せつけた。

 それからわずか2日後の同じ京セラドームでの阪神―ヤクルト戦。今度はヤクルトのバレンティンが3回に藤浪からペゲーロと同じように中堅5階席に140メートル弾を打ち込んだ。昨年両リーグの総本塁打数は1341本(セ713、パ628)あったが、中越え本塁打は11・3%に当たる152本。うち140メートル以上は8月12日ロッテ―ソフトバンク戦で6回にロッテのデスパイネが打った1本だけ。今季は開幕2カード目でこうした特大弾が3本も飛び出したのだからびっくりだ。

 中越えアーチといえば85年4月17日の阪神のバース、掛布雅之、岡田彰布が巨人戦で槙原から記録したバックスクリーン3連発があまりにも有名。ただし掛布の本塁打は実際にはバックスクリーンを外れ、わずか左翼寄りの観客席に飛び込んだ。中堅越え本塁打の定義を現役のベテラン公式記録員に伺うと「厳密なものはないが、バックスクリーン周辺」ということになるそうだ。

 歴代で中越え本塁打の多い打者を出すと1位は近鉄、巨人、オリックスで活躍したタフィー・ローズの通算122本。以下、清原和博(西武―巨人―オリックス)117本、広沢克己(ヤクルト―巨人―阪神)98本、金本知憲(広島―阪神)93本、松井秀喜(巨人)79本と続く。ただし、比率では広沢が32・0%でトップ。ローズは26・3%で広沢には及ばない。それでもローズは当時プロ野球タイの55本塁打した01年に24本の中越えアーチ。シーズン20本以上も中越え弾を放ったのはプロ野球の長い歴史の中でローズしかいない。

 通算868本塁打の巨人・王貞治は右越えが750本で全体の86・4%。中越え弾は42本で4・8%に過ぎず、典型的なプルヒッターだったことが分かる。王とともにV9時代の巨人を支えた高田繁も引っ張り専門。左翼線への打球がぐんと左に切れていく独特の弾道は「高田ファウル」として知られた。通算139本塁打のうち、左翼席に運んだのは138本。右翼越えが1本あり、中越えはプロ生活13年間で1本も打てずじまいだった。

 ところでプロ野球創設以来の通算本塁打は98554本。区切りの10万号まであと1446本に迫っている。前出の公式記録員の話「今年のボールはよく飛ぶように感じるんですけど」。もしもその説が本当なら、今シーズン終盤にもプロ野球10万号が見られるかもしれない。(専門委員)

 ◆宮入 徹(みやいり・とおる)1958年、東京都生まれ。同志社大卒。スポニチ入社以来、プロ野球記録担当一筋。94年から15年まで記録課長。本社制定の最優秀バッテリー賞の選考委員会には、1回目の91年から26回連続で資料説明役として出席。

[ 2017年4月11日 09:00 ]

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