ムネ初打席で安打も状態「0・5割」 あふれる「ホークス愛」でサイン会も

[ 2017年4月5日 08:15 ]

ウエスタン・リーグ ( 2017年4月4日    タマスタ筑後 )

<ウエスタン、ソ・オ>初回無死、右前打を放った川崎
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 打った!沸いた――。古巣のソフトバンクに6年ぶり復帰した川崎宗則内野手(35)が4日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)に1番・遊撃で初出場した。初回先頭で相手先発の岸田護投手(35)から右前打を放つなど2打数1安打。状態は「0・5割くらい。突貫工事が必要」と不満を示すものの、超満員のファンには、あいさつ代わりの一打となった。5日の同カードでは二塁の守備にも就く予定だ。

 「ただいま」の言葉は必要なかった。6年ぶりに背番号「52」のユニホームを身にまとった川崎が初回いきなり、超満員3113人を魅了した。同学年の右腕・岸田の内角137キロをフルスイングし、鋭い打球を右前へ運んだ。11年11月17日の日本シリーズ第5戦(対中日、ナゴヤドーム)以来1965日ぶりに日本での「H」だった。

 「昨日から緊張して眠れませんでした。朝3時半から起きて待っていた。決して時差ぼけではありません」。少しまぶたが重たげでも、ムネリン節はすでに全開だった。

 3回1死一塁の第2打席は二ゴロに倒れたものの、走者として一塁に残ると、すかさず走った。かつてのチームメートで自主トレ仲間だった山崎の好送球でタッチアウトとなった。それでも「思った以上に走れました。もう少し(時間がたてば)上がってくる」と手応え十分だった。

 ただ、プレーして不安もあらわになった。岸田の130キロ台後半の直球に「思った以上に球が来るし、タイミングが取りにくい」と苦労した。メジャーの投手は打者の手元で動くツーシームが主体。日本球界はフォーシーム(直球)が主流だ。タイミングの取り方やミートポイントなどの修正点も浮上した。「今の打ち方じゃ合わない」と不安ものぞかせた。

 守りでは2度の守備機会を無難にこなし、5日の同カードは二塁に入る予定。「(人工芝は)やばいです。(体が)ばりばり。明日、起きられる自信がない」と苦笑いした。メジャーでの5年間は、ほぼ天然芝でのプレーだった。足腰に負担が大きいと言われる人工芝への対応も必要になる。「(仕上がりは)0・5割くらい。突貫工事でやらないと、このままでは1軍ではプレーできない」と環境の違いは想像以上だった。

 時差ボケなどで疲労はピークだが、やっぱり「ホークス愛」の塊のような男だ。試合後は駆けつけたファン150人にサイン会まで行った。

 「18年目、(6月で)36歳になりますけど、こんな僕に興味を持ってくれてありがとう。サンキュー ベリーマッチ」

 足取りはおぼつかないものの、調整する時間はある。「ただいま」を言う場所と指定したヤフオクドームまでの道のりは決して遠くない。(福浦 健太郎)

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