ダルも開幕勝てず…一塁寄りプレート裏目 スライダー切れ欠いた

[ 2017年4月5日 05:30 ]

ア・リーグ   レンジャーズ5―8インディアンス ( 2017年4月3日    アーリントン )

7回途中4失点だったレンジャーズのダルビッシュ(AP)
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 レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が3日(日本時間4日)のインディアンス戦でメジャー6年目で初の開幕投手を務め、6回1/3を投げて4安打4失点。勝利投手の権利を持って降板したが、チームは5―8で逆転負けを喫した。プレートの一塁寄りを踏む新スタイルが裏目に出て宝刀スライダーの制球と切れを欠き、次回へ課題を残す結果となった。

 手応えは得られなかった。「違和感しかないので次から三塁側から投げると思う」。試合後、ダルビッシュはこの日投じた一塁寄りのプレート位置について次回から三塁寄りに戻すとした。

 一塁側を踏んで投げればツーシームに角度が付く。2回無死一塁。6番ゴームズに初球で遊飛、7番ネークインに2球目で二ゴロ併殺に仕留めた。いずれもツーシーム。球がばらつく中で「早く打たせられるところもありましたし、あの状態でゲームはなんとかつくれた」と収穫もあった。

 しかし、右腕の最大の武器であるスライダーの切れと制球を欠く結果を招いた。29球投げたスライダーのうち、奪った空振りは1つだけ。それは7回1死三塁からの空振り三振の1球だったが、捕手も止められず、振り逃げで4点目を失った。キャンプでは試行錯誤を重ねて一塁寄りからのスライダーにも一定の手応えを得ていたが「一人一人が凄く力のある選手たちばかり」と評した昨季ア・リーグ王者は違った。勝ち投手の権利を得て降板はしたものの、最大4点リードを守れず救援陣が逆転を許した。

 昨季までの登板はちょうど100試合。812奪三振は、メジャーデビューから100戦での数字としては歴代最多だ。契約最終年で右肘手術からの完全復活を目指すシーズンへ「駄目だったら終わるし、良かったらまだあるし。まず今年やらないと」と強い決意で臨んでいる。進化のためには例外なく試せるものを試すのが右腕の流儀。しかし、この日は皮肉にも空振りを奪うスライダーという最大の持ち味を消す形となった。

 体の状態はいい。直球は今年最速の98マイル(約158キロ)を計測し、98球を投げた。「一試合一試合体調を整えて、精神的に成長していければと思っている」。全てを進化の糧にするのもまた、ダルビッシュの流儀だ。

 <ハムでは1勝3敗>ダルビッシュは日本ハム時代、3年目の07年から米移籍前年の11年まで5年連続で開幕投手を務め、5試合で1勝3敗(チームは1勝3敗1分け)。1―0で完封した08年3月20日ロッテ戦(札幌ドーム)を含む4試合で完投しながらも相性が悪かった。また、大リーグでは右肘手術明けで5月28日に登板した昨季も含め、過去4シーズンの初マウンドでいずれも勝利投手となっていたが初めて白星を逃した。

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