【槙原寛己の視点】由伸巨人 劇勝以上の収穫 ルーキー2投手の肝っ球

[ 2017年4月2日 10:15 ]

セ・リーグ   巨人4―2中日 ( 2017年4月1日    東京ドーム )

<巨・中>6回から登板した谷岡は2回を無安打無失点の好投
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 巨人・高橋監督の勝負度胸は見事だった。2点ビハインドの6回に谷岡、1点を追う8回に池田と、2人のルーキーを開幕2戦目から起用。僅差の展開での投入だったが、結果は吉と出た。計3イニングを無失点。逆転サヨナラ勝ちを呼び込む好投だったし、何より本人たちが大きな自信を手にした。

 谷岡はボールに角度があり、武器のフォークも落差が大きい。池田も腕の振りがよく、8回1死一塁で藤井から三振を奪ったチェンジアップも切れがあった。登板したのは相手の右打者が続く場面。左腕ながらきっちり結果を出したことで、今後の起用法のバリエーションも広がるだろう。

 新人投手には、まずは自分の持っているボールを思い切り投げさせること。彼らは打たれた経験がないから、怖さがない。良くも悪くも平気で真ん中に投げ、それが大胆さにつながって逆に抑えたりする。新人ならではの、シーズン序盤の特権。コースを気にするのは実際に打たれて、怖さを知ってからでいい。

 もったいないな、と思ったのは7回1死一塁の場面。谷岡の決め球フォークがワンバウンドの暴投となって走者の進塁を許したが、あえて言うなら捕手の小林には止めてほしかった。谷岡はそこから腕が振れなくなり、大胆さが消えかかった。WBCでも活躍した正捕手。新人をリードし、力を最大限に引き出すのも小林の大きな役割だ。(スポニチ本紙評論家)

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