大谷3安打も…栗山監督「本当に怒っている」本能?の全力疾走

[ 2017年4月2日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム3―1西武 ( 2017年4月1日    札幌ドーム )

<日・西>初回2死、大谷は二塁内野安打を放ち、一塁ベースを右足で踏む
Photo By スポニチ

 大きなストライドで加速した。初回2死。日本ハム・大谷が野上のチェンジアップに食らいついた。二遊間への痛烈なゴロに二塁手・浅村が逆シングルで追いつき一塁へ素早く送球。微妙なタイミングに右足を目いっぱい伸ばした。判定はセーフ。だが、三塁ベンチの栗山監督の表情は一気にこわばった。

 「とっさに(右足が)出てしまった。やっている時は分からないけど、なるべく左足で踏みたい」。大谷は反省するしかなかった。右足首痛のため3年ぶりに打者として迎えた開幕。再発防止のため栗山監督から全力疾走禁止が厳命されているが、早くも2戦目で禁を破り、しかもリハビリ中の右足で跳ぶようにベースを踏んだ。

 昨秋の日本シリーズ、そして侍ジャパン強化試合で右足首を痛めた原因がこのプレーだった。栗山監督は「(全力で)走るに決まっている。本能だから。自分の足が折れてもセーフになろうとする選手」と理解を示しつつ、「明日説教する。やってはいけないこと。分からないなら試合に出さない。本当に怒っている」と感情をあらわにした。

 ただ、その打棒でチームを今季初勝利に導いたことに間違いはない。3回は144キロ外角直球を強振し、ライナー性の打球を左翼フェンス上部にぶち当てた。「ファウルゾーンに飛んだと思った」と、大谷自身が打った瞬間に打球を見失うほどのすさまじい打球だった。ただ、スタートで遅れ、急いで二塁に右足で滑り込んだ。「スライディングもできればやらない方がいい」と、ここでも反省した。

 7回には左腕・野田の内角球に腕を畳んで左前へ。開幕戦のマルチ安打に続き、今季初の3安打をマーク。2試合で8打数5安打、打率・625とバットは絶好調だ。ただ、大谷は「公式戦では難しいけど(左足で踏むことは)やらないといけない。(再発の)リスクとしては少ない」と神妙だった。

 打って、走って活躍しても説教をくらう。それも「大谷翔平」という「野球小僧」らしかった。 (柳原 直之)

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月2日のニュース